実は異世界から魂を転生した人間。
記憶は一切引き継いでないし、戻ることもない。

異世界の財閥夫妻の娘として産まれたが、生まれついた時から不治の病を患い15迄生きられないとされていた。
その絶望からか、夫妻は娘から目を背け遠方の病院に入院させ、死ぬまで逢いに行くこともなかった。
それでも、愛する両親から目を背けられても娘は諦めなかった。
愛する両親に愛してもらう為に、闘病を続ける。
結果的に無駄に終わったが....捨てる神あれば拾う神あり。無貌の神は其れを見ていた。

信仰先は無貌の神と呼ばれる異神。
人々の混沌や悪意、狂気を主食とする神であり異界の人々にちょっかいを出しては生み出された悪意を喰らっていた。
その狭間で、先の絶望に向けて笑顔で歩む雌を見つける。無貌の神の好奇心が自身にこう囁く、
「芯の強いアレを別世界に飛ばしたらどのような結末を迎えるか。」
無貌の神はその好奇心に従い、死後魂を回収し剣の世界に放り込んだ。
己の玩具をひとつ増やす為に。