「はぁ……ウチの制服カタすぎ。」
「それとこの翼邪魔すぎ。」「……そっちはどうしようもないって？わかってんよ。」

不吉の象徴である鳥を思わせるような黒い髪に黒い翼を持つ。
ウィークリングにしてはかなり大きめの翼を持つが、別に飛べるわけでもないし邪魔なだけというのが本人談。

普段は郵便局指定の青色を基調とした制服を身に纏っている。
耐寒耐熱に優れており丈夫で動きやすい人族用の物。
大きな翼を出せるような構造に手を加えている。
初めて人族領に身を置くようになってから与えられたマトモな服装であり、何だかんだと文句を言いながらも愛着を持っている。
よく観察すれば下手なパッチワークの跡も見られるだろう。

他人に見せることはないが部屋着はだらしないらしい。

「はいはい不真面目で悪かったですねー。」
「やなら関わらんほうがいいと思うよ。」

性格としては省エネ思考で不真面目で面倒くさがり。
できることなら一日中寝て食べて過ごしていたいし、波風立たぬ平和な日々が一番だと思っている。
しかし自身が蛮族であること、人々から後ろ指を差されるような見方をされていること。
それらのことから平和と、『生』を簡単に維持できるなどと到底思ってはおらず、日々の研鑽と状況に応じた力の行使の必要性を深く認識している。
とはいえ疲れるのでそれらも程々に。省エネ省エネ……。

人付き合いは嫌いではあるが不得手ではなく、事務的なコミュニケーションはむしろ職業柄長けている程。
ただしプライベートの事となると口を閉ざすことや濁すことが多く見られる。
これは場の空気を自分が原因でサゲたくないことに起因している。それはそれとしてアゲアゲなノリも苦手、暑苦しい。
空気は良くも悪くもなく程々に。省エネ省エネ……。

虐げられている弱者が視界に入るとつい介入してしまう(自称)悪癖がある。
その場で原因を排除する、すべてが終わったあとに声をかける、衛兵だけ呼んでさっさと自分は帰る。
揺るぎない何かに突き動かされてる……と言うほどでもない為か、手段こそその日その時の気分に左右されるが、過去の自分を重ねてしまうのか何だかんだと気に掛ける。
本人は否定するだろうが一種矜持のようなものかもしれない。
でも結局他人事なので程々に。省エネ省エネ……。

「……情報伝達の重要性は誰よりも分かってるつもり。」
「ただ人族領での使われ方は……うん、蛮族領でのそれより好き。」

かつてタミール山脈の蛮族領に身を置いていた際、彼女はその身軽さを買われ戦場での伝令役として使われた。
砲火の中を裸足で駆けるという命を捨てさせるような役割ではあったが、蛮族領内での同族は皆少年兵少女兵として似たような扱いを受けていた。
そんなある日、残る使い捨ての兵が自分ひとりになっていることに気付いた日、彼女は生きる為にと裏切りを働いた。
戦場に虚報を流したばかりか、持ちうる情報ごと敵陣営……つまりユランアウルクに投降したのである。
結果、小さな小競り合い程度の戦いではあったが人族陣営の快勝で終わり、彼女は改めて自分の行動の大きさを実感し恐怖した。

その後、ユランアウルクに籍を置いてからは『伝令』が平和的に利用もされていることを知った。
届かぬ声の代わりに文字を届け想いを届ける。
そういった伝令は、彼女にとって平和の象徴になったのである。

それから伝令神を信仰するようになるまで時間はかからなかったが、未だ神の声が届いた試しはない。
彼女はそれを、ただ一度の虚報が未だ許されていない為だと思っている。

「いやいやマジで酒の肴にもなんないからね？」
「てか話したくない、聞かせたくない。ほら帰った帰った。」

蛮族領にて生を受けた彼女だったが、親からは幼い頃に捨てられ名も持たぬまま生きてきた。
幼少期にタミール山脈の蛮族領に送られるが、そこでのウィークリングは戦士にもなれず、奴隷にすら劣る立場だった。
蛮族にとって彼らは消耗品にすぎず、彼女もまた戦場を駆ける伝令役として酷使されていた。
槍が飛び交う戦場の間を駆け抜け、情報を運ぶ──だが、その命に価値はない。
失敗すれば打ち捨てられ、成功してもただ次の危険が待つだけ。それが彼女の数年間だった。

だがある時、彼女は命令を無視し、戦場の混乱の中で逃げ出した。
目指したのは敵陣営である人族領、ユランアウルク。
ユランアウルクは決して敵側に身を置いていた彼女を歓待するとまではいかなかったが、蛮族側の情報を売ったという功績もあり国民として受け入れられた。

彼女は国民として郵便局で働くことを許された。
伝令として培った俊敏さと正確さが評価され、狭いながらも生きる場を得た。
それでもここは人族領、不吉を感じさせる黒い翼を持つ彼女に嫌悪感を示す者は少なくなかった。
局内において所謂"汚れ仕事"を任されることが多いのはその為か、はたまた自主的にそうしているのか。

その後、彼女は冒険者となった。
郵便局での生活は彼女に職を与えたが、冒険者になることで得られる決して少なくない収入とタダ宿は魅力的に映った。
仕事の内容や時をある程度選べるというのも面倒くさがりな彼女にはプラスに働いたのだろう。

「こっちでも稼いでおかないと生きてけないんだよね。」
「はー……めんどくさいけど何か依頼ある？簡単なのでよろ。」

「……いい社会だよね。出来ること増えれば可能性はそれだけ広がって――」
「――何でもない、忘れろ忘れろ。」

｜墓守《Grave Keeper》 RL-56

蛮族領で遺体処理の雑務を押し付けられていたことから身につけた。
そのスキルは冒険者となっても役立てられており、
遺体から目ぼしいものを剥ぎ取る→埋葬までの一連の流れは手慣れたものである。

｜筆写人《Scribe》 RL-83

郵便局勤めとして身につけた。
ユランアウルクにおいて文字を書くことができない人族、幻獣は決して珍しくない。
その為郵便局では配達だけでなく代筆業務も行っている。
彼女もそんなことから渋々と交易共通語の文字を勉強、今では随分と読める字になっている。

｜郵便配達人《Postman》 オリジナル

郵便局勤めとして身につけた。
幻獣ディーラによる配達が主力となりつつある郵便局において、徒歩による配達を淡々と熟している。
その上で地理を把握、記憶するスキルは自然と身につくものであった。
ユランアウルクは山に囲まれていることもあり、周辺他国にまで配達に出向く際は悪路をものともせず歩く技術も必要になるだろう。

PC名【シグナル】　種族【ウィークリング(ガルーダ)】　性別【女性】
習得技能【バトルダンサー3／スカウト1／セージ1／エンハンサー2】
役割【槍前衛】
URL【 https://ruromin.sakura.ne.jp/swswamp/sw2.5/?id=jRB2Ny 】