【ユランアウルク人竜連携術】
(ユランアウルク聖竜国)- 入門条件
- 50名誉点
まだユランアウルクが国として成立する以前、セブレイ森林国によって砦が建てられたさいに、暴れまわっていた蛮族たちに耐えかね、タミール山脈に棲んでいた幻獣たちが助けを求めてきました。そこで人族たちは交渉に応じ、幻獣たちと共同戦線を組むこととなりましたが、まず最初に彼らに行ったのが、騎獣としての教育でした。
【ユランアウルク人竜連携術】は、その過程において生み出された流派です。
基本的には個が強く、乗り手を選ぶのが幻獣です。しかし人族との交渉役として立ったユランヴァーズを筆頭に、タミール山脈から下りてきた幻獣たちは温和な性格の者が多く、人族に近いメンタルを持っていました。
人族との交流の中でユランヴァーズもそれを把握しており、人族たちにある提案を持ちかけます。それは騎獣と騎手との間に、ユランヴァーズたちが行使できる、とある魔法をかけ、感覚の一部を共有するというものです。
もともとはこの魔法は、ささいな幸せを仲間内で分かち合うのに使われるだけの、小魔法(モデストマジック)と呼ばれるものでした。しかしそれがあったおかげで、幻獣たちは争い合うことなく、互いを尊重し、ひっそりと幸せに暮らしていたのです。蛮族たちとの戦いが避けられなくなった今、ユランヴァーズはその小魔法──【エンパサイズ】の術式を改良し、人族との連携の助けになる魔法にしようとしました。
当然ながら、この人族に知られていないという小魔法は恐れられ、敬遠されました。ですが、ユランヴァーズの担い手となった戦士ジークリットは、これを率先して承諾します。他の者たちは訝しみながら見守っていましたが、結果、この術式は大成功となります。騎手と騎獣との意識を同調させることによって、騎手が効率的に騎獣を動かすことができるようになり、それまでよりも命中精度が飛躍的に上昇し、ふたりは大きく喜びました。
しかし使用していくうちに、その代償も明らかになっていきます。意識の同調が強すぎると、受けた痛みすらも互いに伝播させてしまうのです。戦場においては致命的な隙となりえるため、魔法の効果を弱めざるを得ませんでした。また、互いの癖や戦い方をしっかりと理解した騎手と騎獣でなければ思うような効果は得られず、まだ調教中の幻獣たちを即戦力として扱うこともできませんでした。
ですが研究の過程で、意識や感覚だけではなく魔力の伝播を行えることも分かり、それによって騎手の魔力を騎獣に分け与え、魔力で武装した爪や牙を使用して攻撃させる技が生み出されました。魔法の効果が安定する頃には、それらの戦技は特にベテランの騎獣・騎手に重宝されるようになっており、リスクこそあれ、素早い連携を行うのに重宝されていました。そしてユランアウルクが成立してすぐに、流派名に国の名を冠され、広く知れ渡るようになります。
現在でも【ユランアウルク人竜連携術】は、国王たるユランヴァーズや、担い手のジークリット、様々な騎手たちによって、その魔法や戦技が受け継がれています。しかし、戦技の使用に少なからずリスクが伴うことは、伝授されるさいに必ず注意されます。
流派装備
【ユランアウルク人竜連携術】には、騎獣との連携を助ける特別な〈エンパシック・クォーツ〉が伝わっています。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
エンパシック・メイガスクォーツ | 15 | 装飾品:任意 | 5,000 | 【魔法指示】なしで騎獣に魔法を行使させられる |
秘伝
【ユランアウルク人竜連携術】の秘伝を使用するには、騎手が【エンパサイズ】の小魔法を習得しているか、〈エンパシック・クォーツ〉を装備していなければなりません。
《シンクロナイズ・アサルト》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 〈動物〉〈幻獣〉騎獣、〈エンパシック・クォーツ〉or【エンパサイズ】の習得
- 使用
- -
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 騎獣の命中力+2、ダメージを受けたとき互いに伝播する
- 効果
騎獣と思考を共有し、完璧に息を合わせ、身も心も一つにした怒涛の攻撃を行わせます。
この秘伝は、宣言特技の宣言回数にカウントされません。
宣言時に自身の操る騎獣1体を指定し(【遠隔指示】で操れる騎獣を含みます)、そのすべての部位の命中力判定に+2のボーナス修正を得ます。
ただし、この秘伝の効果が適用されている間、騎手が何らかのダメージを受けた場合、騎獣はその1割(端数切り上げ)ぶん、HPが減少します(複数の部位を持つ騎獣の場合、コア部位のHPが減少します)。
同様に、この秘伝によって命中力判定にボーナス修正を受けている騎獣が何らかのダメージを受けた場合、騎手はその1割(端数切り上げ)ぶんのHPが減少します。複数を対象とする効果を、騎獣の複数の部位に受けた場合は、ダメージのうち最も高いものの1割ぶんのHPが減少します。
《アイアンクラッド/ドラゴンクラッド》
- 必要名誉点
- 20/30
- タイプ
- 《かばうⅠ》/《かばうⅡ》変化型
- 前提
- なし/《アイアンクラッド》
- 限定条件
- 〈動物〉〈幻獣〉騎獣への騎乗状態、〈エンパシック・クォーツ〉or【エンパサイズ】の習得
- 使用
- -
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 騎獣の任意の1部位に《かばう》を行わせる。ダメージを肩代わり可能
- 効果
騎手と騎獣が連携し、身体を重ねるようにして味方を守ります。
この秘伝を宣言した場合、騎手は通常通り《かばう》の処理を行うことができます。さらに、秘伝使用者が騎乗している騎獣の任意の1部位を選び、その部位に《かばう》を行わせることができます(同じ対象をかばう場合、どちらが先にかばうかを選択することが可能です)。この効果によって騎獣の部位が身代わりになった
さい、適用ダメージを見たあとで、騎手が代わりにそのダメージを受けることを選択できます。
《ガーディアン》を習得していたとしても、騎獣に行わせられる《かばう》は1回だけにとどまります。
《ドラゴンクラッド》は、その基礎特技同様、秘伝宣言時に宣言回数としてカウントされません。
《アームド・オブ・エーテル》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 《魔力撃》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 〈動物〉〈幻獣〉騎獣への騎乗状態、〈エンパシック・クォーツ〉or【エンパサイズ】の習得
- 使用
- -
- 適用
- 10秒(1ラウンド)持続
- リスク
- なし
- 概要
- 騎獣の追加ダメージ+「魔力」、「魔力/2」点のMP消費
- 効果
自身の魔力を騎獣に流し込み、その攻撃を強化します。
この秘伝を宣言するさい、騎手は自身のMPを「任意の魔力/2」点消費しなければなりません。
その後、秘伝使用者は騎乗している騎獣の任意の1部位を選びます。10秒(1ラウンド)の間、選んだ部位が最初に
行う近接攻撃において、それが命中した場合にダメージが+「任意の魔力」点されます(増加するダメージ量は、
MPを消費するさいに参照した魔力を、同じく参照します)。
この秘伝において、基礎特技が持っていたリスクはありません。