「・・・」
「・・・・・・」
「・・・ちと、昔話をしようかの」
「これは、ある優しく愚かなお人好しの虚け者の話じゃ」
『550年前かの...かの者には好きな女子(おなご)がおったんじゃ、互いに両想いで将来も誓い合っとたし親公認、傍から見れば仲睦まじい許嫁同士・・・・・・・・に見えたろうなぁ』
『実際は、ただの身代わりじゃ』
『その者が好いとった者は他の男に奪われた、そしてその者が好いた女子もその男の事が好きになった.........それだけならまだよかったんじゃ何故か?その者は「それが彼女の幸せになるのなら」と言う理由で受け入れた許容した、未練があるのに、まだ好いておるのに、許してしまった何も咎めることなく許してしまった........そしてありもしない罪を受け入れ村から追放された』
『それが、かの者の悪夢の始まりだと言うのに気づくことなく...の』
『かの者が、日課の山菜採りの帰り道その日は豊作で珍しい木の実や珍しい山菜がたんまり取れてのいつもより帰りが数刻遅くなっとたんじゃ、そして帰り道にふとおかしな匂いがしたんじゃそして彼奴は大急ぎで走り出した、己が背よっておった山菜がたんまり入ったカバンを投げ捨ててな』
『なぜそのような行動に出たか?その妙な匂いが自分の家から匂っておったからか?それとも火の匂いだからか?・・・否、否である。
その匂いの正体は焔の匂いと...血じゃ、かの者には父と妹がおった、自慢の父親じゃった母は妹を産んで速くに他界した後男で一人で妹とかの者を育ててくれた本当に自慢の父じゃったかの者は父に貰った言葉をずっと刻み付けておった「誰の罪も許し優しくできる、強く優しい心の持ち主になれと」そして、妹は本当にできた娘じゃった村一番の美人で性格も良く困ってる者がおれば蛮族だろうが何じゃろうが助けてしまい果てには蛮族と和解できる程じゃ。かの者はその家族を誇りに思いその二人の姿に恥じぬような存在になろうと思えるほどに誇りに思い敬愛した....それが走りだした理由となんの関係があったか?その血の匂いが己が敬愛した存在の匂いと混ざりあっておったらどうする?故に走り出した信じとうなかった己が敬愛し誇りに思っておった存在から血の匂いがしていると、信じとう無かったその敬愛する者達が住んでる愛しの我が家が焔に包まれ、己が愛しい者達から血の匂いがしていると、家につき最初に見たのは焔に包まれた我が家、男はそれには目もくれず扉を蹴破り中へ入る無事と言う淡い希望を抱きながら匂いの下に駆け込む....そしてそんな淡い期待は現実と共に打ち砕かれる。
なにせ、そこにあったのはボロボロで血まみれの父と、何者かに襲われ強辱され挙句の果てには四肢をボロボロに引きちぎられ変わり果てた愛しき者達の姿じゃったのじゃから、男は泣き叫ぶ怒りと悲しみ厭悪と憎悪を孕んだ声で泣き叫ぶそして...己が胸に冷たい感触が迸る...ふとそれに目を見やると剣じゃった、己の胸を深々と貫いた剣じゃった、その剣先に目を見やると自分から恋人を奪った男だった男はあざけ笑いそして言う「無様だなぁ?█████████?お前の父親と妹は俺が殺したよ、あぁ、妹の方は少々楽しませて貰ったぜェ?なんせお前の元恋人よりも具合がよかったからなぁ???なぁ、悔しいか?悔しいだろうなぁ!!!」下卑た笑いを響かせながらな「あぁ、そろそろ俺は退散するよ・・・そうだ、少し面白いことを考えた██████」男は何かの呪文を唱えるそしてこう言う「じゃあな、生きてたら楽しませてもらうよ」と言ってなそしてかの者意識は暗闇へと落ちる』
『次に目が覚めてた時虚け者は、煤けた我が家と思わしき場所で目を覚ます、虚け者はただおぼつかぬ足取りで歩く、どこに行くのか道も定めることなく、気づいた時には自信を追放した里、忌まわしき男とその男に現を抜かした売女が住んでいる里、自分でもなぜここに来たのだろうと自問自答する、その時門番をしている者に声を掛けられる「君、大丈夫かい?女の子がそんなぼろぼろの恰好で出歩くのは危ないぞ?ここ最近近くで火事があったからな、まぁ被害にあったのクズの一家で、こちらにはなんの害も無かったわけだが」その言葉「クズの一家?」と疑問をぶつける、「あぁ、村一番の美人を付き合ってたんだが、クソみたいな罪を犯して追放されたクズさ、名前は確か█████████だったか、一家共々救いようのないクズだったよ」その次の瞬間虚け者はその者の首元をかき切った...まぁ、その後は虚け者は何も覚えとらんがね気づいたときには当たり一面は火の海で目の前には己を刺した男と売女がおった、売女は「この人は」とかなんとか言っていた気がしたのだか彼奴の耳には届かなんだ、売女ごと切り伏せたよ.....』
「・・・」
「・・・さて、長話も終いじゃ、ほれそろそろ行くぞ」