とある孤児院で育てられた、元ナイトメアの男子。
院長の実子であり、四人兄弟の長男として生まれる。
面倒見の良い性格で、義理か否かによらず、弟妹皆の兄として頼れるようありたいと思っている。
そのためか、逆に人に頼ることが非常に苦手で、既に孤児院を出て独立した冒険者の義兄姉はおろか、両親にも、勿論義妹弟にすら甘えたことがない。
両親の都合で幼い頃から人に預けられることも多く、自身の面倒を見てくれた人である師匠のことを、師としても人としても慕っている。

院長の実子であるにも関わらず、院長の意向により他の子供たちと変わらぬように育てられた。
孤児院自体を自身の家・もしくは所属集落として認識しており、自身の義弟妹達の面倒もよく見る、所謂”いい子”に育った。
だがその内面では「自分は実子なのに、特別視はしてくれない」
「どんなに良い子であっても、自分は特別にはなれない。特別な愛（家族愛）は貰えない」
と鬱々とした感情をこじらせている。
そんな折、院長でもある実父が何の呪いによるものか、体中から血色の結晶を溢れさせて痛みに蹲る様を見てしまう。
「実父を真に想ってるのは自分達実子だ。ならばこそ、救えるのは自分達しか居ないはず」
と”ちゃんと愛されたい”という一心で誰にも頼ることなく、単独で情報収集をしてしまう。
幼い頃から冒険者になっても困らぬように鍛えられてたせいもあり、無駄に自信があったのがかえってアダになる。
嗅ぎまわりすぎて喜朮師（コンフェランス）の残党に見つかってしまい、連れさらわれそうになった所を崖に飛び降りてなんとか逃げ延びる。
九死に一生こそ得たものの、流石に崖から飛び降りて無事では済まない。
大怪我で今すぐにも死にそうな状況で、ふと周囲に目を向けると、遺跡の側であり……マナを含み輝く湖があった。
これを使って、少しでも気力が回復すれば……なんて言いながら、動かない手を湖に向けようとする。
意識だけを湖に向けていると、数瞬の後湖から影のような何かが現れる。
諦め半分、絶望半分でそれを見つめていると、その何かが自身を飲み込んだところで意識が途切れる。

気づいたときには家の付近に”自分の足”で戻ってたが、何が起きたかわからない。
妹のシアルダに帰宅の挨拶をするが、声が自分のものではないように聞こえた。
彼女にも怯えられるしで混乱しながら自分の姿を見ると――自身の体ではなく、機械の体に変わっていた。

選択不可の技能:フェアリーテイマー、プリースト、ドルイド、エンハンサー

三椏（みつまた）：「強靱」「肉親の絆」貴方は強い心を持っている。決して折れず、しなやかに受け流す心を。家族を守る貴方はとても美しい。