ゆとシートⅡ for SW2.5 in 流浪の民

“アルケナス領主”フェリオデウス・アルケナス

プレイヤー:瓶底眼鏡

僕は一刻も早く実績を上げて学園に戻らないといけないんだよ。こんな村興味ないね」

種族
エルフ
年齢
14+2
性別
種族特徴
[暗視][剣の加護/優しき水]
生まれ
魔術師
信仰
ランク
ハイペリオン
穢れ
0
10
3
13
2
2
1
8
10
11
成長
5
成長
5
成長
11
成長
6
成長
24
成長
17
器用度
17
敏捷度
17
筋力
15
生命力
17
知力
47
精神力
41
増強
増強
-6
増強
増強
増強
2
増強
1
器用度
2
敏捷度
1
筋力
2
生命力
2
知力
8
精神力
7
生命抵抗
14
精神抵抗
19+2=21
HP
53
MP
108+2=110
冒険者レベル
12

経験点

使用
81,500
残り
50
総計
81,550

技能

ソーサラー
12
コンジャラー
10
セージ
7

一般技能

貴族
7
役人
1
学者
3
司書
1

戦闘特技

  • 《魔法拡大/数》
  • 《魔法拡大すべて》
  • 《武器習熟A/スタッフ》
  • 《武器習熟S/スタッフ》
  • 《魔力強化Ⅱ》
  • 《ダブルキャスト》
  • 《ルーンマスター》
  • 《鋭い目》
  • 《弱点看破》

秘伝

  • 《リミットオーバー》
  • 《ストリームマジック(リビルドにより使用不可)》
  • 《戦域魔導術アンナマリーア》
  • 《戦域魔導術ベロニカ》
  • 《戦域魔導術トルクワート》

練技/呪歌/騎芸/賦術

  • なし

判定パッケージ

セージ技能レベル7 知識 15
魔物知識
15
先制力
0
制限移動
3 m
移動力
11 m
全力移動
33 m

言語

会話読文
交易共通語
エルフ語
魔法文明語
汎用蛮族語
ドラゴン語
神紀文明語
魔神語
リカント語

魔法

魔力行使
基準値
ダメージ
上昇効果
専用
ソーサラー技能レベル12 真語魔法 +2=22 22 +0 知力+2
コンジャラー技能レベル10 操霊魔法 +2=20 20 +0 知力+2
ウィザード最大魔法レベル10 深智魔法 +2=22 22 +0 知力+2
技能・特技 必筋
上限
命中力 C値 追加D
《武器習熟S/スタッフ》 3
武器 用法 必筋 命中力 威力 C値 追加D 専用 備考
測量のワンド 1H 0 0 非武器 専用化(魔法の発動体)
無謀なソーサラースタッフ 2H 10 +1=1 20 12 3 専用化(魔法の発動体)
技能・特技 必筋
上限
回避力 防護点
技能なし 15 0
防具 必筋 回避力 防護点 専用 備考
古傷のコンバットバトラースーツ(必筋-2) 8 1 0
合計: すべて 1 0
装飾品 専用 効果
深々とした叡智のとんがり帽子 魔物知識判定+2
ディスプレイサー・ガジェット
ラル=ヴェイネのマナリング
ラル=ヴェイネの観察鏡 ✔MP
ラル=ヴェイネの金鎖
深々としたスカベンジャーの帽子 1日に1度、出目13以上の戦利品のある敵に対して、行使判定or戦利品判定の出目+2
勇者の証(心)
スマルティエの銀鈴
逃さずの眼鏡 ✔MP
背中 ウェポンホルダー改
ブラックロッド 魔法の消費MP-1
無謀なソーサラースタッフ
右手 叡智の指輪
左手 正しき信念の腕輪 精神抵抗+2
ミサイルトラッパー
軽業のブーツ
叡智の腕輪
ふかふかした防寒着 ※非装備 水・氷属性被ダメ-1
所持金
8,833 G
預金/借金
0 G / 0 G

所持品

雑貨・食料類

保存食一週間分*2
保存食五日分
保存食一週間分(新鮮組)
冒険者セット
食器セット
着替えセット
迅速の火縄壺
よく切れるナイフ
真っ平らの手鏡
手鏡
礼服、制服
ふかふかの防寒着
羽根ペン
軽い羽根ペン
インク
白紙の本*2
サム・ファントムの本(第一巻)
ぬいぐるみ*10

武器、防具

イフリートの髭
支配の杖
マナスタッフ
代弁するソーサラースタッフ
ブラックロッド
クロースアーマー
コンバットバトラースーツ

装飾品

深々とした叡智のとんがり帽子
スカベンジャーの帽子
相互フォローの耳飾り……片割れはフェルマータが所持
レコーディングピアス
通辞の耳飾り(魔法文明語、エルフ語、汎用蛮族語、魔動機文明語、妖精語)
蝙蝠の耳飾り
スマルティエの金鎖
スマルティエの銀鈴
ラル=ヴェイネの髪飾り、肩当て、靴留め、ベルト
水晶の首飾り
ロッセリーニの調声器
甘え鳴きのチョーカー
ウェポンホルダー改
ペンギンマント(売却)
レインボーリング(売却)
ラル=ヴェイネのマナリング
叡智の指輪*2
叡智の腕輪
魔法の発動体
勇者の証(心)
逃さずの眼鏡
ラル=ヴェイネの観察鏡
ミサイルトラッパー
軽業のブーツ
ラル=ヴェイネのダウンルッカ
ディスプレイサー・ガジェット

冒険道具類

測量のワンド
ロッセリーニの魔導筆
魔香のパイプ
妖精のランタン

マナチャージクリスタル(5点)

冒険道具類(消耗品)

熱狂の酒
魔晶石5点*5
魔晶石10点(買取)
魔晶石10点*4
魔晶石15点*3
魔晶石20点*2

魔香草*20
魔香水*3

アウェイクポーション
スパークリングサラダ
マナクイックチャージゼリー

ロッセリーニの印形絵具

月光の魔符Ⅰ*1
月光の魔符Ⅱ*1
月光の魔符Ⅲ*1
陽光の魔符Ⅰ*1
陽光の魔符Ⅱ*1
陽光の魔符Ⅲ*1

消魔の守護石/1*5/2*4/3*3/4*2/5*1

ゴーレム用アイテム

魔化された樫の枝
魔化された粘土
魔化された肉
魔化された石
魔化された岩
黒曜石の盾(中)*2
鋼玉の守護(中)*2
太陽石の輝き(中)*2
珊瑚の枝(中)
柘榴石の活力(中)*2
柘榴石の生命力(中)*2

名誉点
2865
ランク
ハイペリオン

名誉アイテム

点数
冒険者ランク700
秘伝20
魔法学園魔法行使学派参加50
魔法の発動体専用化100
深々とした叡智のとんがり帽子0
迅速の火縄壺0
よく切れるナイフ0
まっ平らの手鏡0
ふかふかの防寒着0
軽い羽根ペン0
古モルガナンシン王国式戦域魔導術入門50
ロッセリーニの魔導筆0
ロッセリーニの調声器0
測量のワンド専用化(発動体)100
“快活卿”ルカとのコネクション(顔見知り)0
ソーサラースタッフ専用化100
ソーサラースタッフアビス強化(1回目)150
コンバットバトラースーツアビス強化(1回目)150
逃さずの眼鏡専用化(MP)50
勇者の証専用化(HP)50
ラル=ヴェイネの観察鏡専用化(MP)50
コンバットバトラースーツアビス付け直し(1回目)150
コンバットバトラースーツアビス付け直し(1回目)150
ブラックロッド専用化100
深々としたスカベンジャーの帽子0
ソーサラースタッフアビス付け直し(1回目)150
コンバットバトラースーツアビス強化(2回目)300
アルケナス領主50

容姿・経歴・その他メモ

 ユーシズ魔導公国出身のエルフの少年です。
当国家における有力な貴族の血筋に生まれ、魔法学園『七色のマナ』の生徒として真語魔法を修めていたものの、現在は『現地実習』の名目により強制的にラゴニアの復興支援団に参加させられています。
 当人はそれを不満に感じており、常々「早くこんな辺鄙な田舎から帰って魔術を修めたい」と愚痴を吐いていますが、生来の生真面目な性格からか依頼や仕事そのものに対しては(肉体労働でなければ)露骨に拒絶を示すことは少ないです。
 長命種のエルフかつまだ成人前ながら妙に生き急いでいるきらいがあり、魔法学園では生徒や教師などとトラブルを起こす事も珍しくありませんでした。その原因は、学園での噂によれば家系に伝わる魔法を継承する才能がないためである、とささやかれています。

一般技能

貴族Lv7

容姿

 身長:145~149cmくらい 誕生日:2月20日 家族からの愛称:フェディ
 湿った海藻を思わせる深い青色の髪をした少年。身長が低くやせ気味、童顔なこともあって実年齢より幼く見られがち。魔導学園の生徒の証であるローブとリボンを常に身に着けている。

ファミリア

 蛙のファミリアを連れている。

人間関係

フェルマータ・オリオール⇒https://ruromin.sakura.ne.jp/ytsheet2/sw2.5/?id=jndrjP
 …元彼女。お互いに定めた未来、二度と交わることはない。故に、それぞれの道を覚悟を持って進む、そう誓った。

魔剣〈煌剣アンタレス〉

https://ruromin.sakura.ne.jp/ytsheet2/sw2.5/?id=TIXEUm
アルコルから貰った三振りの魔剣。彼女は、フェリオデウスにとって、見つめ続けるべき死兆星である。

経歴

ユーシズ魔導公国において、大破局を現魔導公ヴァンデルケン・マグヌスと共に生き残ったアルケナス家の末裔として生を受ける。
アルケナス家は魔法文明時代よりイスカイアから流れてきた一族であり、魔動機文明より失伝されたとされる秘奥魔術の継承・保全・復刻に携わっているものの、没落の一途をたどり、現在では土地を持たない零細貴族になりかかっている。
 そんな折において稀有な魔法の才覚を持って誕生したのがフェリオデウスであった。
一族の期待を一身に受け幼い頃より魔術の教育を受け、『エリート』として増長したまま魔法学園に入学した彼であったが、直に肝心の秘奥魔法に対する適性を持ち合わせていないことが判明してしまう。
 自分の存在意義を失ったことで彼は大いに荒れ、学園でも人間関係トラブルを起こすようになり、そんな姿を見かねた教師陣が、国の外の世界を見せるという意味合いを込めて復興支援団に参加させたことで、ラゴニアにやってくる事となった。
 しかし未だに家の考えに縛られている若い少年は、『学園から疎まれ厄介払いされた』と思い、よりその心を暗く沈めてしまっている。

経歴表:大ゲンカしたことがある、憧れる冒険者がいる、過去に仕えた主がいた
冒険に出た理由:見聞を広めるため

依頼申請用メモ

「僕はフェリオデウス・アルケナス。見ての通り、ユーシズ魔導公国・魔法学園『七色のマナ』の学生だ」
「僕には僕の事情があるんだ、そんなことに構っていられるか」
「ここは本当に最悪だ、暑いし、臭いし、虫も出るし! 図書館どころかろくに資料館もないのに、どうやって魔術の見聞を深めろって言うんだよ……!」


PC名【フェリオデウス】 種族【エルフ】 性別【男】
技能【ソーサラーLv11/コンジャラーLv10/セージLv7】
役割【魔法火力】【壁役ゴーレムあり】
URL【https://ruromin.sakura.ne.jp/ytsheet2/sw2.5/?id=lSySY7 】
参考数値【HP:51/ MP:106/防護点:0/ 魔法行使:真語・深智23,操霊・22/ 生命精神抵抗:13,19/魔物知識:16】

履歴

レポート用の手記より

Lv2キャップ

#1【Daily Worker】
 最悪だ。こっちに来させられて早々に汗くさくて埃っぽい現場労働に回された。こんな作業の何が魔術の研鑽に繋がるんだ。
幸い筋力バカの蛮族女のヒメや、頭グラスランナーのグラスランナー女のアルルペルルや、そこそこ役立つルーンフォーク女のへカテリーナや、馴れ馴れしい人間の女のトリアなんかのメンバーが思ったより役に立ったから、木を切るなんて重労働に従事せずに済んだけど。というか力仕事なのになんで僕以外女しか集まってないんだよ、僕は勿論そっち方面じゃ役に立たないし。
 やっと仕事が一段落ついてお昼かと思ったら、出されたのは生魚。自分で焼かなきゃいけないとかふざけてる。料理なんてやったことないんだからうまく焼けるわけないだろ、まぁ僕以外も似たか寄ったかだったし魚焼くのが難しいんだな。
 そのまま午後の仕事に移るかと思ったら依頼人がゴブリンに襲われて戦う羽目になった。
 実戦なんか初めてだったから焦ったけど、なんとか習った通りに魔法を使って戦えてよかった。これに関しては、皆が前に出て壁になってくれたり、励ましてくれたおかげというのはあると思ってるから、そこは感謝してる。
 なんかまた明日もやりたいとか言ってたけど、あんな重労働自ら望んでなんて正気じゃない。皆労働に頭をやられてるんだ。
 ……単位の為とか、教授から出ろって命令されたら、その時は僕も参加は避けられないけどさ。

#2【ぜんしん!よんほんあし?】
 今回はジョーランド氏たってのご指名で森の警邏に行く羽目になった。今回のメンバーは、酒飲みアルヴのレイジ、ルナール女のコハク、前回あったのとは別の蛮族女のシノノメ、それと人間の女……トリアとはこれで顔を合わせるのは二回目だ。
 蛮族女は一度行ったことのある森だったらしいが、剣技の練習だとかで自分から落とし穴にはまっていた。蛮族はやっぱり訳が分からない。
 酔っ払いは真面目なんだか不真面目なんだかよくわからなかったが、自分の役目を果たしていた以上は言うことはない、結果が全てだ。
 途中で資金になる木の実があるからトリアが登って取りに行ったが、その時に不当に揶揄われた。ユーシズ貴族の紳士が子女のスカートの中なんて覗いて喜ぶもんか。
 ルナール女は比較的まともに感じたけど、たまに妙なことを真に受けてる節があって怪しい。まともな側であってほしいけど……というか今回も僕しかパーティに男がいなかったんだが。どうなってるんだよ。
 結局ジョーランド氏が話していた怪しい影というのの正体は大きな山猫で、こちらに危害を加えるようだったので全部駆除した。気持ち悪くはあるけど人型や知性のある魔物を相手にするよりはよっぽどいい。
 最初はとにかく嚙み合わない感じがあったが、戦闘の時には連携をとって個々の役目を果たし危なげなく立ち回れるくらいには慣れていたと思う。良い働きをしたものは労わなければいけないから、一応一言だけ添えておいた。
 森に入るのは嫌だが、これくらいで済むならまぁ、力仕事よりはマシとは言えるかもな。

#3【トラブル】
 依頼という形式じゃないから報告義務もないんだけど、一応それなりに大事だったので記録しておく。
 その日の夜は砂漠の方(ラージャハ辺りか?)から来たっていう劇団のせいで騒がしくて勉学に集中できなかった。
 仕方ないから降りて一服することにしたけど、へカテリーナが働いていて美味しい紅茶を淹れて貰えたし、アップルパイも一切れ頂けたのは良かった。ククルという人間の女とも知り合いになった……随分腕が立つ様子だったけど冒険者じゃないらしかったが何者なんだろう。
 問題はその後で、サム・ファントムとかいう不審な……人?わからないけど不審存在が騒ぎ立てるし、人間の女の知り合いのイルモとかいうちゃらちゃらしたエルフの男に絡まれた。同じエルフとしてああいうのは恥ずかしく思う。
 で、劇団の興行が終わってようやく静かになると思ったら、エルフ男と人間の女が嫌な気配を感じるとか言い始めて、それに反応した不審存在のせいでなぜかこいつらと僕まで巻き込まれてサインをもらいに踊り子をストーキングする羽目になった。
 結局踊り子は無事で裏路地で踊りの練習をやってたんだけど、そこに本当に人さらいが現れて僕まで狙われたから撃退するしかなくなった。でもびっくりしたな、あの踊り子……アシュリーって奴が女の子じゃなくて男だったなんて。それにしてもあのランプから出てきた魔神みたいなやつは何だったんだろうか。もしアレが何かしらの魔法的な存在なら、確かにそこから魔術の見聞を深めるにはつながりうるのかもな。まぁ、もう一度会う事があるとも思えないけど。

#4【野球チームのメンバー集め】
 今回は必修科目とか、教師から指示があったわけじゃない……まさか、僕が自分から進んで依頼を受けるような事があるなんてな。
 メンバーは、鎧女のジョナントカ……ジョナ、デーモンルーラー女のデラニー、鳥女のヘルミナ……それと、生意気女のリリ。モーリスって奴の依頼でラゴニアの野球球団設立のためのメンバー集めだ。
 まぁ、野球と言えば叔父さんたちの間で話題をさらってならない有名なスポーツだし、人数集め自体は簡単に済んだ。済んだったら済んだ。斧を持ち上げられなかった事なんて知るか。
 勿論有力選手候補のクオン・ルースって奴だってばっちりスカウトできた。ただ、その後狼の群れに襲われるアクシデントはあった。
 僕が大活躍したのは言うまでもない事として、鎧女の指示は的確だったし、鳥女の戦いぶりは見事なものだった。クオン・ルースが野球ボールを武器にして戦うのは少し驚いたが、問題は後二人だ。
 デーモンルーラー女がデーモンルーラーとわかったのがこの時で、何かにとりつかれているようだったし……生意気女は、ナイトメア、つまり蛮族だった。
 そう気づいた後も思わず普通に接しちゃったけど……僕が殺したゴブリンとかの仲間なんだよな。何だろう、あまり考えたくないな、やめよう。
 ともあれ、依頼自体は上手く行った。確実に入団希望者は20人を超えたし、後はモーリスが練習場所を確保したりしていくだろう。
 そうだ、確か球団名が決まったんだっけな。名前は確か……ラゴニアドラゴンズ、だったっけ。行って欲しいな、甲子園。

#5【ヘンリー・ジョーンズの冒険#01-鉄腕王の迷宮- 夜再演】
 ここに来て初めてまともな『依頼』というものを受けた気がする、とはいっても特殊な事情の込み合ったものではあったけど。
 依頼人はアーサー・ジョーンズ氏、依頼内容は息子のヘンリー・ジョーンズ氏の護衛。メンバーは僕に加えアシュリーの総勢二名。
 護衛と言ってもヘンリー氏の方が僕らよりはるかに実力が上で、実際は彼に内部を案内してもらう楽な依頼だと思ったがなんでもヘンリー氏が家督を継がずに済むようにするための策謀だったらしい。
 まぁ、よその貴族の事情に深入りする気はないからそこはそれとして、安全の確保された遺跡の中を探索するというのはとても実践的で良い経験になった。単位も出るしな。
 やたら重いオブジェを運ばされたのと、最後の遺跡の崩壊さえなければ最高の依頼だったんだけどなぁ……。
 ともあれ、家業を継ぎたかった僕と、どうしても家督を継ぎたくないヘンリー氏。世界はひどいよな、よくもまぁこういう歯車の噛み合わない人生を与えてくるものだ。
 あと、アシュリーは本当に自分の外見について自覚したほうが良いと思う。適度に常識もあっていい奴だが、そこだけはどうにも危なっかしくていけない……本当にあいつが男でよかったよ。
 ともあれ、結局依頼を出した真の目的は果たせなかったものの、めげずに類似の依頼を出すつもりらしいから、その時はいかせてもらうつもりでいる。
 ヘンリー氏は、あんなに抜けていてダメな所も多い人だが……不思議と、尊敬したいような気持ちもあるんだ。冒険者になる気はないけどね。

#6【雑誌作成のお手伝い】
 成績の為に楽な依頼を……と思って受けたが、今から思うとこれをレポートにまとめて報告するのもどうなのかという依頼だった。
 依頼人はエイとかいう怪しい新聞記者、依頼内容はZ級もいい所の適当な噂話をでっちあげてラゴニアにホラースポットを作ること。
 依頼を受けたのはナイトメアのフォルテストラ、人間のオウル、猫……アダンダラのライヴァ、ルナールのコハク、ハルヴドラケンのライン、そして僕の6名。
 4カ所のそれっぽいが何もないスポットを巡って記事を書いた……本当にやったのはそれだけだ。だって何もなかったし。
 ただ、依頼を終えて帰ろうというときに妙なアンデッドに絡まれた。何が妙だったかは言いたくない。依頼後に皆エビフライを食べたいと思っていたという事だけ補足しておく。
 ただ……なんだろうな。あの日は寝る前に妙な寒気を感じた気がする。気のせいだろうけど……。

Lv3キャップ

#1【暗夜行路】
 ジョーランド氏直々の指名により、アンデッドの巣になっているという近隣の村の調査に向かうこととなった。
 メンバーは僕以外は全員人間で、妖精魔法使いのスノウ、軽戦士のアルコル、銃使いのククル。ククルとはこれで二度目になる。それと同行者が一人、ユースティアという名の酔っ払いだ。
 村はユースティア氏の故郷で、彼女の案内で片道60km以上もある道を往復1週間かけて向かう羽目になった。60kmといえばラゴニアからユーシズの距離になるんだが、それってもう『近隣』のカテゴリじゃないだろ。
 それはそれとして、道中はユースティア氏のウザ絡みに悩まされることになった。酒飲みはアレだから苦手なんだ。あと彼女は盲目だったが、それは僕がなんら気にしたり、干渉するべきようなことじゃないだろう。人の事情に気軽に首を突っ込むのは分別のついた貴族のやることじゃない。
 スノウは素直なやつで助かったが、ククルはちょいちょい闇がちらついて怖いし、アルコルは戦闘以外考えなしのくせに戦闘がかかわると途端にキレたナイフみたいになる。とはいえ冒険者とか放浪者とかは手を汚すのをいとわない荒くれの方が向いてると言われたら、まぁそれはそうだろう、この業界では僕が異端なんだ。
 ともかく、村にたどり着いたわけだけど得体のしれない青い花が咲いていた。その正体はのちにわかるわけだが、ひと先ずは村のアンデッドたちの殲滅から開始。昼は特に危なげなく狩れた(殺しに慣れているメンバーがいたからだろう)が、夜になってから胸に例の青い花を抱えた屍人が仲間を引き連れて襲ってきた。その少女がユースティア氏の妹だったというのは、まぁ余談だろう。
 ともあれ彼女らを倒しその花を調べさせてもらうと、それがアンデッド騒ぎを引き起こした元凶らしかったことが判明。ユースティア氏の提言もあって現場の状況判断で村ごと花を焼き払うこととなった。
 ……あのような花でもう二度と死者の尊厳が損なわれないことを願う。彼らの魂が、始祖神ライフォスの名のもとにルミエルのもとへ召され、再びラクシアの地に降りたときは良き生に恵まれますように。

#2【商人団の護衛】
 取り返しのつかないことをしてしまうところだった。
 今回も、ジョーランド氏からの依頼だった。その内容自体はラゴニアからクェレブレへ販路を開きたい商人団を護衛する
というもので、メンバーは全身鎧のジョナと、回転刃剣使いソレイユのドラセナ。ジョナはこれで2度目になるが、ドラセナは笑顔を浮かべたままその剣で人の肉を削るなかなかヤバい奴だった、悪いやつではないんだろうが……。
 まず、依頼に行く前にジョーランド氏の一存でラゴニアの竜巫女メイ・アロストの顔を見て行くことになった。人族の村の象徴がハルヴドラケンというのは……思うところはあるが、害がない以上は気にはしない事とする。彼女と邂逅する際にちょっとしたアクシデントはあったが、会っただけで特筆すべき内容は特になかったといえるだろう。
 さて、依頼そのものは順当に進んだ、積み荷が龍脈石というラゴニアの特産品だったことが分かったくらいだ。問題はクェレブレについてからだ。
 自由時間中、謎の少女が匿ってくれとドラセナにタックルしてきて、それを不審者からかばった。それから落ち着く間もなく露店通りで暴動が起きて、その騒ぎの主が護衛した商人たちだったんだ。
 やむなく僕らは暴動を抑えるため彼らと交戦したんだが……この時、僕は魔法の制御を誤り、一人を殺しかけてしまった。
 僕はひどく取り乱して、戦闘中にもかかわらずその人の傷を治そうとすっかり取り乱してしまって、あとのことはすべて二人に任せてしまった。商人はなんとか息を吹き返してくれたけれど、とにかく僕の未熟さが招いた事態だった。もう二度とこうはならないようにする。
 戦闘が終わったら、かばった少女は書置きを残して自分がいたというクェレブレの観測所へ戻っていった。
 何か訳ありでメイ・アロストに会いたがっていたみたいだったけど、名前くらいは聞いておいてやればよかっただろうか。

#3【野球場を作るから手伝って!】
 この前に設立されたラゴニア・ドラゴンズの野球場の設営を手伝うことになった。依頼メンバーは僕のほかにジョナ。
 もっとこう……草野球的なグラウンドを想像していたんだけど、現場についたらまず飛空船が山ほど飛んできて、本格的な球場の建造が始まってしまった。クオンのコネだったらしいんだが、主導はアリエル、アリアスのエルマーナ姉妹。野球界では有名な選手で、実家がとても太いから、こんな辺境にとんでもないものを作れるんだとか。
 なんでライバルにそんなに塩を送るの?と聞いたら負けた時に言い訳出来ないから、って言ってたけど、まぁそれだけじゃなかったよな、あれは。クオンは全く気づいてなかったけどさ。
 警備が中心と聞いていたんだけどとんでもない、人手が足りないとかで向いてない肉体労働を山ほどさせられた。単位の為にレポートには上げるけど絶対今回の経験は魔法の履修に繋がらないから、絶対そうだから。
 一通り済んだ所で、向こうが用意したピッチングマシーン相手に模擬戦をやることになった。耐久テストも兼ねていた様子だったけど、ジョナの鎧の前には野球ボール程度じゃ歯が立たないな。
 ともあれ、立派な球場も出来たんだし、ドラゴンズはしっかり練習に励んでほしい。一回戦敗退とか許さないからな。


#4【ヒトの証明】
 今回は本気でヤバい案件に首を突っ込む羽目になった。
 メンバーは前にも依頼を共にしたことのあるコハク、オウル、ライヴァに、初めて顔を合わせるアカツキ、シオリ、ケイの7人だ。依頼内容は近隣の村に出た首のないアンデッドの捜索……なんだか前にも村でアンデッドとか既視感のある内容だ。危険度は段違いだったけどな。
 まずヤバさが漂い始めたのは依頼人の指定した首なしアンデッド、これがデュラハンなんじゃないかという疑惑が生じてからだ。とにもかくにもと村に向かって見れば、入り口のところに戦闘の痕跡が残っていたし、隣村からの連絡が途絶えたという。
 隣村に行ってみれば、誰もいないわ、全ての家に百合の花が供えられているわ、壁に雪の紋章が刻まれているわで厄ネタのオンパレードみたいなことになっていたからもう最悪だ。
 ついでに言えばその雪の紋章はヴェントロとかいうノスフェラトゥの氏族のものなのがわかったから、この隣村はノスフェラトゥとデュラハンの争いに巻き込まれて滅んだんじゃないかという推測になった。
 ともあれ村に戻って一夜を過ごすことになったわけだが、その夜に黒い波のようなおびただしい数のノスフェラトゥの眷属が村に襲い掛かろうとするのをデュラハンが一人で食い止めていて、それを僕ら全員で手伝おうという話になってしまった。僕は反対したんだ。
 その黒い波自体は危なげなく超えられたものの、問題はそのあと例のノスフェラトゥの姉妹が襲い掛かってきたことだった。
一撃でデュラハンは深手を負い、そのままやられるかと思ったがどうやらケイと何らかの関係があるらしくて見逃がされた。
 ……そして、僕はその傷を治してしまった。浄化して輪廻に還るべき魂を、無理やりこの世に押しとどめるほうに加担したんだ。たとえそのアンデッドに借りがあって、そいつ自身が望んでいたとしても、そんなのはやるべきじゃなかった。
 にもかかわらず、だれ一人だって僕を責めないし、それどころか褒めたり労おうとしたりしてくる始末だった。
 ……いや、僕がいつの間にか、気を許しすぎてたんだ。奴らは冒険者で、僕は学生。価値観が噛み合うわけもないっていうのに。
 僕は、このラゴニアで独りなんだ。

Lv4キャップ

#1【仮想演習:ライジング】
 今回はまぁまぁ楽な依頼だった。メンバーはへカテリーナ、それに人間のノエル、ハルヴドラケンのヴェル。
 ローゼスという魔動機師の青年が依頼人で、“ガンドゥーム”なる魔動機械の運用シミュレーションに付き合ってほしいとのことだった。
 ヴェルが公益共通語の通じない奴だったばかりになし崩し的に参加する羽目になったが、シミュレーターを使うから怪我しなくて安全だし各種アイテムも消費せずに使えるしで至れり尽くせりって感じだった。余計なお世話ばかりで迷惑な奴だが、この依頼にめぐり合えた点は感謝してもいいかもな。
 一方のノエルはぶっきらぼうというか、クールって感じで落ち着いた安心感のあるやつだったな。ドライな部分も見受けられたが、アレくらいがまぁ『常識で言うところの冒険者』だろう。
 ともあれ、ガンドゥームというのはかなり面白い技術だったな。魔動機術は本来もっと栄えていて、現代に残っているのはほんの一部に過ぎないとは聞くが、アレを見せられては頷かざるを得ないかもだ。
 戦闘自体も、向こうの火力も大したものながら、僕のゴーレムによる新戦術はばっちり役に立ったし、他の奴らも頑張ってくれていた。良い経験になったと言えるだろうな。

#2【人型重機レッドフレーム】
 前回に引き続きローゼス氏絡みの依頼だ。今回はガンドゥームによる土砂崩れの復旧作業の護衛。
 メンバーはアルコル、へカテリーナ、初対面の人間レイン、それにフェルマータ。
 フェルの奴、公衆の面前で初手から『あーん』を要求してくるから結構気後れしたが、こういう事に慣れていくのも目的だ、応じてやった。周りからは仲睦まじい恋人同士のように見えただろう。
 さて、依頼そのものは極めて順調だった。途中で道に迷いかけた時、アルコルが木の棒で指針を決めだしたのが大分突っ込み所だったのと、ちょっと動物や植物に絡まれてへカテリーナが怪我を負ったくらいか。それもすぐに自分で治療していた。
 レインは会うのがこれが初めてだけど、落ち着いていて心配の要らないような相手だったな。
 現着して少ししたらサンダーバードが二体襲い掛かってきた。
 遠くテラスティア大陸では悪名高い噂の多い連中だが、僕ら5人の戦略的な動きの前には強敵というほどでもなかったな。
 僕の支援が的確に働いたうえ、へカテリーナの弾丸による行動力の低下、アルコルとレインの強烈な剣さばき。そしてフェルマータの身のこなし、全てが噛み合った結果だろう。
 なんだかんだフェルマータは綺麗だし思わず見とれるくらいの演舞は見せてくれたから、やっぱり付き合う事にしたのは悪くない判断だったかな。

#3【『Turn around. Look at what you see』第一話『予感』】
 今回は、サフィっていう同じギルドの冒険者からのお願いで、へカテリーナ、ヴァネッサ、ちか、アシュリー、アジェニアと僕の総勢7名で、近くの森の様子を見に行くことになった。サフィ、ちか、アジェニアとは初対面だが、サフィはやたらと体格の良いエルフで、ちかはなんとなくゆるい空気のある人間の女、アジェニアは天然っぽいメリアだ。
 森の中は慣れてるやつら曰くやけに静かで、たくさんの明かりが奥に見えていた。それと、そいつらに追われているドラゴンのファータってのが沼地の近くにいた。ファータは深い傷と毒を受けていて、身動きできない自分の代わりに、と、自分の子供のイーヤと、ヴィカル王国の王女のルーリィって女の身柄を任せてきた。このルーリィがサフィとうり二つの見た目だったから驚いたが、どうやらガチで姉妹っぽいというのが後で判明した。
 話を戻すと、なんでもヴィカルは先日王が崩御して、正統後継者である彼女は彼女を疎む勢力から狙われているらしい。相当ヤバい案件に首を突っ込む羽目になったが、乗りかかった船だ、依頼人の意向もあって差し向けられた傭兵を追い払うことになった。
 そのあと、ひとまずルーリィの身柄はギルドで預かる形で落ち着いたらしい。イーヤも一緒だ。
 トーラチカ家というとっかかりはあるようだし、再び王位に戻れるよう頑張ってほしい。

#3【カチの証明】
 前にも依頼を受けたテシュアー氏から、その関連依頼を受ける事になった。
 メンバーは、スノウ、アルコル、ヴァネッサ、ケイ、そして初対面のメリアのシェレア。
 内容は『コッペリア』と呼ばれる謎の存在、そして秘密裏に行われている人身売買等の違法取引現場の潜入捜査だ。
 酒場での調査の結果、そのオークション会場までたどり着くことができ、コッペリアをこの目で拝むこともできた。
 見た目は普通の人族そのものだが、中には魔神が詰まっており、やろうと思えば辺り一帯を魔域に変えることもできる爆弾のような代物だった……スノウはどうにも人としてアレを見ようとしているようだったけど、僕が持つには難しい価値観だった。
 潜入がバレて捕まりそうになるかと思ったら、急に爆発が起きて謎の男が逃げる隙を作ってくれた。そこに便乗してスノウがコッペリアを連れてくるとは思わなかったけど……一見どんくさいように見えてそういうところは肝が据わってるんだよな。
 ともあれ、無事に逃げおおせて依頼は終了となった。なんというか……とても疲れる依頼だった。ゆっくり休みたい。

Lv5キャップ

#1【とある薬草の採取依頼】
 今回は“快活卿”ルカという人物から依頼を受け、薬草採取に行くことになった。僕の課題に活かせる情報が得られないか、という下心あっての受諾でもあるが、この依頼人が名誉人族のバジリスクだったのには驚いた。性格はアレだが、まぁあの程度なら人族社会においても十分無害で交流可能な類だろう。
 同行メンバーは、前に会ったことのあるフォルテストラ、レイン、それに新顔の人間の女のカナタと……魔神のぴにゃ。
 人族社会に貢献し、しかも価値観の共有が可能な魔神なんて想像したこともなかったから本当に驚いたが、かのキルヒア様に認められた正当な神官であるのは間違いない様子だったからには、受け入れるしかないだろうな……心の準備は必要だったけど。
 森ではなんだかやたら虎や熊に絡まれたが、まぁ一度フォルテストラとレインが殴られたくらいだったな。ぴにゃがしっかり神聖魔法で治していたのは、彼(?)の立場の何よりの保障だろう。
 薬草の群生地での採取はそれなりに順調に進んだものの、流石に蛮族領との境という事もあり、リザードマンの群れに絡まれることになった。
 とはいえ、知性も低く数の活かし方も理解できていない連中、僕の魔法の餌にしてやったけど。
 雑魚どもはさっさと片づいたものの、流石に首魁はそれなりに強く、僕も結構危ない所まで喰らう羽目になった。
 レインが首を落としてくれたおかげで、すぐさまぴにゃに治療してもらえて楽になったけどな。
 そんなこんなで依頼は順調に終わった。とくに特筆することはないが……まぁ、うっかり依頼人にはもっと注意して生活してもらいたいものだ。

#2【『The Bastard Sword』再演】
 今回の依頼はフェルマーという男からの依頼だ。あのルーリィ先輩の故郷のヴィカル王国の、死んだ王の兄の息子という人物で、いわば先輩とは政敵にあたる関係なわけだが……国内の状況を良く思っておらず、わざわざラゴニアに依頼を出しに来たそうだ。
 正直怪しかったが、疑ってばかりじゃ話も進まない。一先ず奴のは話に乗り、ルーリィ先輩が正当な後継者ではない嫡子かもしれないという出生表明をだしたという医者を調べに行くことになった。
 メンバーはセキウ、アジェニア、それと初対面のエルシャ。ヴィカル王国内部まで入ることになったが、少なくとも表向きはそこまでピリピリしているわけじゃなかったが、兵士の目は鋭くて平時ではない気配は漂っていた。
 ともあれ、依頼自体は順調に行ってくだんの医者を探し当てたんだが、なんといきなり殺されかけていて、そいつの命を助ける為に魔神たちと死闘を行う羽目になった。
 結構ヤバい相手ではあったがなんとか勝ったものの、資料にはすでに火が放たれており、回収できた情報は一部になってしまった。とはいえその一部だけでも十分な収穫だったんだが。
 なんにせよ、ああいう面倒なことは早く終わってくれるに限るな。

#3【草原の試練 丘の上の大岩】
今回の依頼は、同じ“鉄腕の掟”所属のメェルゥというレプラカーンの頼みで、故郷についていって彼女の活躍を証言するという感じのものだった。
 他メンバーはフェルマータ、アトリッサ、ライン、ティオ、ルリアで、フェルとラインを除けば全員初めて会う相手だ。
 初対面の相手の活躍をどう語れって話だが、そこはまぁ貴族の弁舌能力でどうにかした、まぁ相手の村長がそういうの大して気にしない性質でもあったわけだけど。
 それで、話が面倒になったのは村長がメェルゥに頼みごとをしたからだ。なんでも、村で昔育ててた竜が混乱して、村人を襲ったのだとか、それも育ての家族をだ。それを調べてほしいというわけ。
 類を見ない事らしく、メェルゥひとりで行かせるのもアレだから、勿論報酬はありきでついていくことになった。
 道中はまぁ、ちょっとしたことが色々あったけども、いざ竜の目撃情報のある丘へ行ってみても、竜の気配なんてどこにもない。
 どころか、大岩が動き出し、そいつと戦う羽目になってしまった。
そいつを倒して一息ついていたら、副村長が騎獣のドラゴンインファントと現れ、僕たちを村へ乗せて帰ってくれることになった。
 結局竜の調査は進まなかったな……。

#4【ムシュフシュ遺跡北部山岳地帯の調査依頼】
 今回はまたジョーランド氏からの依頼だ。メンバーはアルコル、ヘルミナに、初対面のフィリップとフィリアノール。
 なんでも山の方で知能の低い魔物が凶暴化しているらしく、その原因を調査するのが目的だ。
それと、今回は本人たっての希望で竜巫女のメイ・アロスト様が同行する事となった、なんでもまた良くない未来を予知したらしい。
 道中でアルコルがしょっちゅう爆発性の木の実に手を出して味方が被害を被ったりもしたが、概ね途中までは順調だった。
途中までというのも、道中で竜巫女様が怪しんでいたキーリ・クレストという科学者が、サクラ(前依頼でクェレブレに行ったとき会った女だな)という少女を連れ立って森の中を進んでいるのに遭遇したからだ。
 するとその直後、大きな落盤が起こって地下に落ち、竜巫女様にサクラとキーリに僕たち、の組み合わせで分断されてしまった。
 それから別ルートで合流を目指すことになり、道中ではキーリから幾つかの話を聞く事が出来た。

 纏めると、
・前にクェレブレで起きた暴走騒ぎは竜脈石の力によるもので、今回の山の一件もこれが原因にある
・この竜脈石の力こそ竜災の正体の一端であり、元は竜巫女を守るための防衛装置だったが、対抗存在を失い狂ってしまった
・竜巫女とは基本的に同じ世代に一人しか存在しないが、数千年に一度前任が存命のまま竜巫女の力が継承されることがある

 これらを纏めると……おおよそ、サクラという女の正体は察せられるというものだが。
 さて、それはそれとして、竜巫女様たちと合流できる地点までやってきたのだが、そこには今回の一件の元凶となったと思しき巨大な竜脈石があった。
 キーリの言葉によれば破壊すれば異変は収まるという事で、早速作業にかかろうとした、ものの、まるで示し合わせたかのように石が活発化して、眷属を生み出し襲い掛かってきた。
 どうやら竜巫女様とサクラが何がしかの力を使ってくれたらしく、石の持つ力はある程度減退されたけどその上でも厄介で、何とか破壊を達成できたのは、僕らも成長したという事なんだろう。
 倒し終えた時、巫女でもないのに僕らにも次の竜災の景色が見えた……地を埋め尽くす魔物の波だ。
 規模はこれまでの竜災と比べ物にならないものの、明確に敵対存在のいるという意味では、ただの天災よりはやりようがあるかもしれない。
 いずれにせよ、未来が迫った時のために、力は磨いておくべきだろうな。

#6【アイの証明】
 あれは、ミノタウロスキャスターとの激闘を終えて帰路についた時の出来事だった。
 あの時は、アシュリー、ルリア、シャレア、アルコル、そして初対面のクレイゲルと一緒だった。そう、ケイもいたな。
ラゴニアへの道の途中で森に入ったら突然霧が濃くなってきて、同じ場所をぐるぐる回ってしまい完全に迷子になってしまった、後から分かったことだが、魔域の中に入ってしまっていたらしい。
 困り果てているところに現れたのが、ジェイクという狩人の青年だった。
 彼は快くも霧が収まる間屋根を借りていいと住居に案内してくれた……あまりに親切なので疑いを抱いてしまったが、消して悪人などではなかった事をここに書いておく。
 家についてすぐ、「決して屋根裏には入らない事」と言い残し、僕らを残して彼は狩りにむかってしまった。あまりにも不用心だとは思うが、ここが魔域だったせいもあったのかもしれない。
 彼を怪しんで家の中を調べてるうち、立ち寄りの禁止された屋根裏から物音がしてきて、皆で調べに向かう事になった。
 僕が魔法で内部を確認したが、そこに居たのは一匹の狐だったんだ……少なくとも、そういう姿をしていた。
 皆で部屋へ入り、シャレアのアイデアで即席のコミュニケーションシートを用意したことで、疑似的な対話が可能となったが、それによれば、彼女こそがジェイク氏の妻のリリア氏らしい。なんらかの呪いによって、人から獣に変化させられてしまったそうだ。
 今はまだ人としての知能が残っているが、それも次第になくなりどんどん獣に近づいてしまっているらしい。そうなる前に解放される事を望み、僕たちに懇願してきた。
 正直を言えば……僕は、彼女の願いを聞き届けてやろうと思った。獣の姿になったとて彼女は人だが、だからこそ人としての誇りのままに死を選びたい、愛する人を縛りたくない、その願いを聞くことで、ジェイク氏に恨まれてもいいと思った。
 だが、僕一人の身勝手で皆に罪を追わせるような真似はできない。パーティとしての方針で、二人を引き合わせ交流させることとなった。
 結果的にはそれが正しかったのかもしれない……いや、そう思いたいだけなんだろうが。二人は意志を通じ合わせ、ジェイク氏は生涯を妻の為にささげることを決めた。
 それからは、まるでこちらをあざ笑うように現れた魔域の核となっていた魔神を倒し、現実世界へ帰還。
 家のあった場所には廃墟があって、そこには二人の墓、そしてリリア氏からジェイク氏へ宛てられた手紙があった。
 手紙の内容によれば、ジェイク氏は死を迎えるまでリリア氏の傍におり、リリア氏はその後家を離れる選択もできたがここに残り死を選んだようだった。
 後はまぁ……墓の裏に、くだらない落書きがあったくらいだな。
 アレは……結局魔域によって生み出されたに過ぎない。泡沫の夢のようなものだった。でも、形に残らないものこそ、本当に人の心を縛り続けるのかもな。

Lv6キャップ

#1【薬草採取】
 今回は、ラゴニアの村で診療所を開いているクスノキ氏の依頼で薬の材料となる薬効植物の採取に向かう事となった。
 メンバーは、エクエス、アルルペルル、フィリップ、ルリア、そして初対面のシモン。あと、アルコルがクスノキ氏の指示で同行した。
 狙いの植物は、動物に寄生する寄生植物という話で、当然森へ行って探すことになった。
 道中はいたって平和で、取り立てて書く事もない。強いて言うならシモンにルリアがやたら絡んでいたくらいか……ルリアが大分アプローチをかけていたが、シモンは取り合っていない様子だった。
 後は、貴族の話題から転がって、皆の生まれの違いによる価値観や生き方の違いに関して話し合ったくらいかな。僕としては中々面白い話題だったが、仕事中に長々続ける話ではなかったな。
 そのうちに熊と遭遇して、そいつと戦闘になった。なんだか腕に植物の蔦が絡みついていて、例の寄生植物に寄生されて凶暴化した個体で、僕のゴーレムやエクエスが倒されかかるくらいの馬鹿力を誇っていたが、流石に僕らの敵じゃなかった。
 帰還してからクスノキ氏と少し話したが、大変に魔法への造形が深く、ユーシズのいち学徒として非常に興味のそそられる知識を幾つも持っていらっしゃった。
 また今度暇なとき会いに行って、色々とお話を聞かせてもらえる約束も快く引き受けてくださった。
 アルコルにあんなに素晴らしい先生がついているとは思わなかったが、真面目にやっているようだし、頑張ってほしい。

#2【とある幼竜の腹痛騒動】
 今回は、名誉人族のバジリスク、ルカの依頼で森で暴れてる竜を鎮圧しに行くことになった。
 メンバーはヴェル、セキウ、エクエス、グレイゲル、それと初対面のムース。ムースはともかく、皆ドラゴン相手に戦えると士気は十分だった。
 道中、森の中はかなり異様な雰囲気だった。蛮族、アンデッド、コカトリス、コカトリス、そしてお代わりのアンデッド。
 白骨化した操霊術師の遺体も見つかったし、何とも殺伐な行軍だった。遺品から支配の杖を頂けたのは思わぬ拾い物だったけど。
 森の奥は焼け野原と化していて、話の通り凶暴化したドラゴンが暴れまわっていた。それと、しゃべるゴリラが出てきた。なんでしゃべるのかびっくりしたけど、話によるとゴリラの姿の精霊だったらしい。彼がこの窮状をルカに訴えたのだそうだ。
 ともあれ、ドラゴンはなかなかの強敵だったが、ヴェルの会心の一撃が入ると、口から禍々しい肉塊を吐いて大人しくなった。
 肉塊の正体は猪の心臓だったらしく、まだ脈打っていたので気味が悪いと思って焼却処分した。これで二度と災いの種にならなきゃいいが……。

#3【森林の村 暴れる幼竜を追え】
 またメェルゥの村の関係案件だ。メンバーはティオ、サフィ、ライン、レイン、それと初対面のカタニィ、それとメェルゥもだ。
 村に向かえば副村長から子細な話が聞けたが、なんでも前の集落とは別に森林の村という場所でも若い竜の暴走事件が発生したらしい。
 過去より交流のある村だから信頼にかかわるとのことで、急ぎ道案内のメェルゥを連れ、人を迷わせるという霧の森へと向かう事となった。
のだが、肝心のメェルゥが、森にビビッて一人で行ってしまったから大変だ。しばらくの間、メェルゥを探しながら、森の中をさまよい歩く羽目になった。
 しばらく迷って森の入り口に戻されたりしながらメェルゥと合流したが、途中にいた森の妖精たちの動きをヒントに隠された道を発見、何とか森を抜けることができた。変わったことといえば、森を抜ける直前に、月の巫女と名乗る女性と彼女の友だという暴君竜という竜の姿を目にした事か。
 森林の村につけば、さっそく暴走した幼竜と一戦を構える事となった。
なるべく殺さないように、という事で、気絶を狙い、何とか三体とも命は無事のまま無力化することができた。殺さないって難しいな……。
 森林の村の側もこの事件には手を焼いていたようだが、どうやら幼竜の暴走の原因は竜の唄という伝承にかかわっている可能性があるようだ。
 なんとなく、最近に森へと来たという、あの暴君竜と、月の巫女という女……奴らが怪しい気がしているのだが。僕の杞憂であればいい。

#4【とある蛮族の進行事件】
 初めに言っておくと、これは僕の見た夢をなるべく仔細に思い出し、書き出したものだ。
 蛮族にクェレブレが陥落させられてしまった。このままでは宙に浮いた状態になる前線の兵たちを支援するため、急遽ラゴニアに残っていたメンバーで決死隊を組むこととなった。メンバーは、ヴェル、カナタ、アトリッサ、アルルペルル。そこに名誉人族のバジリスク、ルカが同行していた。
 クェレブレに到着すれば、人どころか蛮族さえも人っ子一人おらず、ただ巨大な銅像が町の中心に聳え立つのみ。
 それ以外に怪しい場所などなかったため、当然の流れとして、内部に突入し、攻略を仕掛けることとなった。
 内部にはやはりというか蛮族の大きな群れが待っており、窮地となった……が、ヴェルが突然にかの蛮王の剣が一振り、黄金の光(レイオブザゴールド)を召喚し、敵を一掃。その一度きりではあったものの、奇跡のような光景を見る事となった。
次にこちらに立ちはだかったのは、森の賢者のゴリラの姿の精霊だ。奴は強かったが、スタン・クラウドと暴力の前にひざを折った。
 そして、最上階。そこでは、石にされた蛮族たちと、空の玉座が待っていた。そこに進み腰かけたのは、ほかならぬルカだった……まぁ、知ってた。
 名誉人族としての仮面をはぎ捨て、獰猛で倒錯したバジリスクとして奴は僕らと対面した……が。アルルペルルの相域・属性の乖離によって、世界の汚染と毒の体液を封殺され、自身も使用したライトニングが効果を発揮しない、という『詰み』を食らわされ、それでもなお石化進行をもって戦ったものの、僕らの勢いに間に合うことはなく、ヴェルとカナタ、アトリッサの猛攻の前に斃れることとなった。相域には気を付ける、そう誓った。
そして像を出れば、それは光の門となり……くぐるとともに、目覚める事となった。
 起きてからは約束していたゲンドウとルカの店のセールの準備をし、売り上げは盛況となった。
 現実のルカには、倒錯したバジリスクらしさなど少しも見られない。なんで、あんな妙な夢を見ることになったんだろうな。

#5【キズナの証明】
 サスーガ兄弟なる胡乱な兄弟の依頼で、キングスフォールの遺跡まで鉱石の採取に行くこととなった。この二人、胡乱ながら天才であることに間違いはなく、簡易テレポーターなるとんでもないオーパーツを開発するなどしていた。こんな人材がその辺をうろうろしていてたまるか。
 今回の依頼メンバーはルリア、ククル、グレイゲル、初対面のミスミに、ケイも同行だ。
 アニに彼女募集中と言われてククルがなびくなどしたが、つつがなく依頼は進行。鉱石の回収も順調に済み、帰還しようとした……その時だった。ケイが遺跡の隠し部屋を発見したのだ。
 驚くべきことに、その部屋は殆ど完全に生きた状態のままの遺跡であり、そのシステムの解析を進める上でシステムロックを外すため、僕たちは依頼人の頼みで機械内部の電脳空間へと突入することになった。
 すると、内部ではA1Bu5、エーワンなる案内用AIが僕らを待っており、彼の指示に従い、僕らは内部に記録されていた映像を見進める事となった。
 その内容は、エレノラなる少女と、その主人、使用人、そしてエーワンの元になったらしきルーンフォークの生活の記録。
 彼らは、キングスフォールとサイレックオードの間に巨大なテレポーターを設置する為、研究を進めていたらしい。
 その最中、最悪なタイミングで地震に逢い、主人と少女が行方不明となってしまったようだ。
 それからルーンフォークは、自身の生涯をかけて少女を探し続け、しかし逢うことはなく。
 稼働限界を迎え、それでも尚、何者かの誘いに乗り、自分の記憶を魔動機械へ転写。そこからつながったジェネレーターより生成されるルーンフォーク全てに一つだけ命令を与え、少女の無事をいつか確認できるよう、最期のあがきをしていたのだ。
 それこそがA1Bu5……アルバスの正体だった。
 願い敵わぬ彼の最期を見届ける……そういう事になる、かと思っていたのだが。
 そこでアニが急に騒ぎ出して、アルバス・パーカーなる人物が、ノラという少女を瓦礫の中より拾い上げる映像を見せる。
 それこそが、辿り着いた真実だった……青い鳥は、軒先に泊まっていたのだ。
 なんとも、不思議な喜劇だった。そう、喜劇だったんだ……800年の歴史を越えて、彼の元へ戻っていった、とても、くだらない話。
 でも、それでいいんだ。だって世の中は、一流の悲劇より、三流の喜劇であふれているべきなんだから。

#6【ソフィとノーラ、二人のあるべき形。《後編》】
 なんか突然空にオーロラが出てラゴニアがえらいことになった。どうやら魔域が出現したらしい。
 たまたま近くにいたので、どうにも当事者らしきエクエス、ライン、サフィと合流した。そこに僕と同じように通りすがったノエルも加わって、魔域を何とかすることになった。
 で、その魔域ってのが、死ぬほど怪しいタビットの商人の話によると、ノーラが色々やらかしたせいで出来たらしくてだ。ノエルを除いた三人は中々にヒートアップしていたな、特にエクエスの剣幕はヤバかった。あれはドラゴンだって捻れる勢いだぜ。
 商人からこんな事態になった詫びだとそれなりに豪華なアイテムを受け取りつつ、僕らはノーラが守護者となった魔域に侵入することとなった。
 内部は砂漠の砦って感じで、後から知ったがノーラの生まれ故郷、ラゴニアの北の方の元蛮族領だったらしい。
 そこでノーラは主人の誘いで、人の肉を口にし、その味を知ってしまった。
 ウィークリングとして人の営みに惹かれながら、蛮族としてその肉に食らいつきたい本能、その矛盾に苦しみ、消えてしまいたいと思うまでに至った……あいつの言い訳としては、そんな感じだったな。
 まぁ当然、僕やノエルはともかく、彼女と親しかった三人は大人しくはいそうですかとは頷けない。
 サフィは彼女の善性を説いたし、ラインは彼女の悪性を煽った。そしてエクエスは……彼女の苦しみ、叫びを真正面から受け止めて、「そんなの知るか!」と己の想いの丈をぶつけた。共に居たい、という想いを。
 まぁ、言葉だけで何とかなるならこんな事にはなっていないわけで。聞き分けの悪いノーラは、僕たちと戦闘になったわけだ。
 僕とて喧嘩別れしそうなカップルの有り様を見せられて思うところは色々とある、それなりにやる気を持って存分にエクエスを支援、勝利を彼の手に齎してきたさ。
 負けたノーラは憑き物が落ちたような顔で、エクエスを受け入れ、意固地になるのをやめてラゴニアに帰還した。
 後はまぁ、ノーラの親友のサフィって子が飛んできて彼女を抱きしめたり。ノーラのせいで大騒ぎになったラゴニア中に謝り倒したり。何はともあれ大団円と宴に発展したり。まぁ、いつものラゴニアって感じだよ。
 彼女やラインのように、この地に蛮族……もとい、バルバロスはそれなりに居て。しかし、そのほとんどが、もうまるで人族と変わらないように生きている。ならば、環境こそが、あらゆる命の形をいかようにも変える、最も大きな要因なんだろう。
 このラゴニアのように、僕も、自分の領地を、広く、多くのものを受け入れ、それでもなお強く在れる地にしていきたいものだ……。

#7【とある蛮族の石化事件part2】
 ルカから緊急の依頼だと呼び出されたら、なんか簀巻きにされていた。
 なんでもまたゲンドウ氏を石化させた疑惑が出たらしい。
 同じく依頼を受けたエクエス、エクス、フィル、ステラータ、アルカと共に、事件の調査に赴くことになった。
 ゲンドウ氏は森羅魔法ペトロヴェノムによって石化させられたことが判明、その事から容疑者として浮かび上がった、同日同じホテルに停泊していた冒険者は4名。
 それぞれアリバイを持っていたが、その中から真犯人を見つけ出すと、そいつはサキュバスとしての正体をあらわにし、僕たちと交戦することとなった。
 人に白昼夢を見させるというなかなか悪趣味な能力を使ってきたが、何故か向こうは全く本気ではなく、あえなくして勝利。
 降参した彼女から話を聞けば、何でもルカの師匠で、バルバロスが追い詰められた時に、そんな存在を全力で守る行動を起こす冒険者たちが居るかどうかを確かめたかったようだ。
 僕個人としては色々とまぁ、思うところはあるわけだが。この土地はバルバロスを受け入れ、仲間として迎え入れる文化が成り立っている。名誉人族なら猶更だ。
 それは、僕と共に事件に立ち向かった皆が証明してくれた。彼女もそれを見届け、笑って去って行ったよ。
 ただ、散々場をひっかきまわした事は謝ってほしかったけどな……。

#8【落つる幻日】
 この依頼については……驚くほど、語りたい事はない。だが、概要は書いておこう。
 同じギルドのメンバー、シオリの依頼で、ノーラ、フィリアノールと共に、人探しをしてきた。
 探し人の名前はアーノルド、シオリの旧い友人だそうだ。
 過程は、省く。気分のいいものでもなかった。
 結末を言うと、氏は見つかった。道中で知り合った女性、その人の抱えていた子供と共に。
 石切り場の松の木の下から……な。
 己の命さえ省みることのできない、無敵の人。社会から生まれた錆。
 どうしてやれば、あんな連中が発生するのを予防できるんだろうな。
 最期にアーノルド氏が口の中に隠していたシンボルらしきものをシオリが見つけ、蒼白になっていた。
 ごろつき共も、アーノルド氏は死刑になる男だと言っていた……おそらく何かしらの因縁、呪いの象徴なのだろう、アレは。
 シオリはこれから復讐鬼となってもおかしくはないだろう、が……彼が無辜の民を手にかけるまでに堕ちることあらば、止めないといけないかもな。

Lv7キャップ

#1【その奏で絶えることなく】
 ルーリィが半年前くらいに傷を負って湖に沈めなければいけなくなっていたファータ氏を助けに行き、その足で前々から口にしていたトーラチカ領へと向かう計画を立てていた。僕らはそれに付き合う事になったわけだ。
 僕以外のメンバーは、フェルマータ、ティオ、ノエル、ヒメ。あとはサフィと、当然だがルーリィと守護竜イーヤも同行だ。
 ファータ氏の封印の解放までは特に問題はなく滞りなく進んだ。
 大変だったのはファータ氏の背に乗り空を飛んでからで、何やら妙な魔法によって混乱した妖精たちの起こす乱気流に襲われる羽目になった。
 なんとかトーラチカ領についたが、そこではファルマーの奴の兵隊と現地トーラチカ領の兵隊が睨みあっている始末。
 調べればファルマーが領地に乗り込んで来たらしく、気弱な領主はそれを追い払えずにいるらしい。
 争いを避けたがっていたあいつにしてはやけに強硬な手段だと思ったが、後で魔神にギアスをかけられて行動を強制されていたことを知った。
 ともあれ僕らは城に忍び込むことにしたわけだけど、途中で明らかにただの人ではないアイシャという女性の導きもあって無事に現領主ロバート・トーラチカ氏の元へたどり着く事が出来た。
 そこを狙ってファルマーが仕掛けてきたわけだが、サフィがつけていたペンダントにロバート氏が反応したことで目論見は失敗。僕らと戦闘になり、あえなく敗北した彼は、自分が魔神に操られていたという事実を語ったわけだ。
 あの様子だとサフィはヴィカル王国の英雄の末裔のようだし、そのヴィカル王国は今魔神の手に堕ちようとしているわけだし、もう無茶苦茶だ。近隣国家がこれでは未来の辺境領主の身としてはとてもじゃないが安心などできない、何とか跡目争いを終わらせてほしいものだ。

#2【極星訪れ煌星が昇る】
 謎のグラスランナーが現れ、アルコルへの言伝を頼んで来た。まぁ謎って言ってもポラリス・レインウォーカーという始まりの剣★★級に匹敵するヴァグランツなわけだが。
 その人こそ何を隠そうアルコルの師匠で、三日後アルコルをドーデン地方へ連れていくつもりだと言った。
 アルコルに話せば、なんでも本来は3年後の予定だったらしく、2年も早まってしまったらしい。
 師匠のいう事は聞いて『良い子』でありたいが、このラゴニアに残りたいという自分の意志を通せば『悪い子』になってしまう。そういう二つの感情の板挟みを喰らって苦しんでいた。
 居合わせていたアルルペルル、オウル、カイ、ミツハ、ヘルミナと共に励ますなりしたわけだが、その後アルコルは部屋に三日間閉じこもって出てこなかった。
 三日後、師匠との約束の朝になって漸くアルコルは部屋に僕らを招いて決断を話した。自分のわがままを通すために師匠に物申すというわけだ。
 当然助力の為アルコルの師匠ポラリス氏の元へ着いていったわけだが、ポラリス氏はアルコルが意志を押し通すなら相手になると言ってきた。まぁ想定していた流れだ、僕たちはアルコルと力を合わせて氏の腕試しに挑むこととなった。
 腕試しでは4回雷を喰らって死ぬかと思ったがまぁ何とか耐え、全員で押し切ってポラリス氏を何とか打倒することができた、とはいっても相当な手加減をされたうえでだが。
 その後、ポラリス氏は正式にアルコルの嘆願を認め、この地で残る2年を過ごすことを認めた。
 それが嬉しかったもので、ついつい僕もアルコルに感じていた恩を話したりしてしまった。
 その後は宴会用に20点魔晶石を売り払うなどとポラリス氏が言い出したから思わず目を回してしまい、宴会に遅れる羽目になったよ……ま、結果良ければすべてよし、というところかな。

#3【とある幻影の迷宮探索】
 今回は同じギルドに所属する一員にしてハーヴェスの大貴族、ルリア・ウィンドラゴンからの魔剣回収の依頼だ。
 なんでも、断絶した従者の家系から蛮王の十剣のレプリカの回収を進めているらしいが、その第一の目標が今回の〈亡霊の嘆き〉にあたるようだ。
 メンバーはルリアは勿論の事、カナタ、セキウ、アルコル、ククル……それとヴィルだが、彼女は諸事情あって後で合流する事となった。
 遺跡内部に突入すれば、早速様々な幻覚の洗礼を受けることとなった。レプリカとはいえ蛮王の十剣の名にたがわず、か。
 特に印象に残っているのは二度出てきた商人と、あとは何と言っても狼だな。何せヴェルがぶら下がっていた……あいつは自分が一番乗りしたい一心で先んじて迷宮に突入していたらしい。よく無事だったな。
 何はともあれ最奥地まで来ると、そこに居たのは巨大な蜘蛛だった。多くの属性攻撃の通じない強大な相手……かのように見えたが、それ自体もまた幻影だった。見破り影の主を倒せば、笑いながら消えていったよ。これが魔剣に認められたという事かな。
 無事レプリカの〈亡霊の嘆き〉はルリアの手に渡った。あと9振りという事になるのだろう。彼女の苦労も察するところはある、こちらは大分格が低いとはいえ同じ貴族として……恩を売っておくという下心も含めて、今後も協力するとしよう。

Lv8キャップ

#1【奪われた煌星】
 元々この依頼はなんだったか。そう、クスノキ氏の依頼で夜にしか採取できない薬草の花を取りに行ったんだ。
 メンバーはシモン、ルリア、ステラータ、アルルペルル。それといつものごとくクスノキ氏の依頼の為アルコルが同行。
依頼自体はまぁ特に問題はなく、当該の納品は順当に済む筈、だったのだけど、事が起きたのは翌日の帰り道。急に空から飛んできた謎の影にアルコルが攫われてしまったんだ。
 本当に突然の事だったから僕はすっかり慌ててしまって、比較的落ち着いていたステラータの言葉でようやく冷静になれた。
 その後は攫った存在を推定ロックと判断、皆でアルコル奪還へ向かう事となったんだけど、その道中でも北向きの針や望遠鏡で皆が役に立っていく中、僕はあまり大きなことはできなかった。魔法使いだっていうのに情けないな。
 アルコルが揚げたらしき狼煙を発見、その元へ行けば、散らばった彼女の荷物と煙を出していた発煙筒が落ちていた。
 僕らはその場に残されていたレコーディングピアスの内容を、訊いた。そして、それらから彼女の行先を推測、そこへと向かう事に決めた。これはあくまで僕個人の感傷だが、あいつがずっとピアスに残してた宝物を、あんな辛い内容で上書きされたまま終わらせたくはなかった。
 そうして僕らは示された座標に辿り着き、そこにアルコルと、怪鳥ストームロックの姿を見た。
普通のロックよりは幾分か小型だが、侮れない特殊能力を多彩に持つ恐ろしい敵だ。僕は新たに作れるようになったストーンサーバント、習得したブリンクを存分に発揮してパーティへの負担を減らしつつ、魔法である程度火力に貢献した。その間に他のメンバーが大きく削ってくれて、特にルリアとシモン二人の活躍は目覚ましかったよ。
戦闘中、アルコルがふらふらと立ち上がって短刀を構えたりしたが、どうやらほとんど意識がなかった様子で、敵を倒した後駆け寄ってみれば5日は寝ていないといけないほどの重症だった。でも、生きていてくれて本当に良かったと思う。
 背負って帰投するのを買って出たステラータとは何か話していたようだったけど、内容は聞こえなかった。
 数日後、彼女からは手紙は届いた。感謝と懇願めいた部分のある手紙だった。
 律儀で真面目な良い奴だが、ああいう危なっかしい所は治らないよな……まぁ、人のことを言えた義理でもないか。

#2【イノチの証明】
今回は大分前の依頼の続きになる。コッペリアという人間を人形化したおぞましいものを生産するための素体を保管していた施設に対し襲撃する、という内容だ。メンバーはククル、シャレア、ミスミ、シオリ、それとケイ。
 依頼人は一応サビクっていう前オークションの時に顔を見た男だったが、まぁ他にもサスーガ兄弟やらA1やらが出てきて実質もっとデカい作戦って感じだ。
 サビク率いる陽動側が戦力を引き付けている間に僕らが本命として施設へ潜入、囚われた人々を奪還する、という流れで、水路を通って僕らは内部へと侵入した。
 囚われた人々を救い出すまではまぁスムーズにいったんだが、そこでついに敵が襲い掛かってきて、ケイと分断された状態で僕らはアンデッドと戦う事となった。まぁ口ほど強くもなかったので、苦労はしなかったが。
 後で合流したケイは、何もなかったという風にはしていたが、何かあったんじゃないかという気はしている。前にもノスフェラトゥの氏族との関係がある事はなんとなく感じたしな。まぁ、個人的な問題というなら深く触れる必要もないだろう。
 さて、僕にとって重要だったのは、この依頼の陽動側の要因の一人に例のアンデッドが関わっていたことだ。
 彼は陽動としての役割を完璧にこなし、出てしまった犠牲者たちに弔いの祈りも捧げていた……だとしても、ラクシアの人族社会に生きる者として、彼を容認はできないんだ。だから、見えないふりをした。それがきっと、一番良いだろうから。
何もかも、はっきりさせてしまえばよいというわけでもないんだ、きっと。

#3【引越しの手伝い】
 キーリ・クレストの依頼で、引き上げをする研究所の引っ越しの手伝いをすることとなった。メンバーはグラディウス、アシュリー、ティオ、サフィ、フィル。
 なんでも研究の内容がバレて立ち退きを喰らったそうで、竜災について不要な書類を“処分”するためにラゴニアの人々である僕らを呼んだそうだ。そういう事ならばと、張り切って“処分”に臨んだわけだが、そうしたらいきなり現れたアンデッドにいきなり記憶の世界へと放り込まれてしまった。最初はだれかわからなかったが、復興後のラゴニアの最初の村長になったクレスト家の先祖の記憶だったらしい。
 まぁ記憶の中でその『旅人』はリュシアという少女(のちのリュサイア)と出会い、共に第一の竜災を経験することになったわけだ。第一の竜災の真実とは、第四の竜災の姿かたちとして語られていた黒竜リトラと、第一の竜災の姿として語られていたラゴニアの守護竜との激突が真相だった。そしてその後、その竜とリュシアの間に生まれた子がメイ・アロストであり、彼女こそ黒竜リトラを討つための決戦兵器だったわけだ。ラゴニアは、その時までリトラの封印を持たせるための舞台装置であったというのが実態になる。
 とまぁ、大まかな真相はそんな感じなわけだが。リトラが急にかっとんできてリュシアに求愛したのがそもそもの発端であり、そのせいで惹かれあっていたらしきリュシアと『旅人』の恋愛劇は悲恋という形で幕を下ろし、今にまで尾を引くことになった。いい加減にしてほしいよな……もうそういうのはうんざりさ。
 運命に引き裂かれる悲恋ばかり描きたがる世界なんて、僕が修正してやるよ。

#4【とある円卓の理想と聖盾】
 今回は大分前に受けたルリアの魔剣集めの依頼の続きだ……とはいっても、僕が見ていない間に終盤に差し掛かっていたようだが。
 メンバーは依頼人ルリアは勿論として、アルコル、エクエス、へカテリーナ、ステラータ、ククル。
 今回は13振りの12振り目、なんでも最後の魔剣に対する抑止力として作られた盾の魔剣だそうだ。盾という事もあってエクエスは特にやる気十分だったな。
 依頼受諾と共にルリアの師マーリン氏によって迷宮内部へと転移させられ、そのまま攻略と相成った。
 中々課された試練の内容はハードで、途中で結構追い詰められたりもしたが、なんとか最奥まで到着。
 最奥で待ち構えていたのは、番人であると同時に魔剣そのものの意志、人理の守護者アヴァロン。
 課された試練は『耐える事』に特化したものだった……が、何故か皆は正面突破しようとしたし、割とできそうだったな。人間やめてる。
 ともあれだ。試練をクリアし、魔剣は無事にルリアの手に回収。次第に過酷さを増す試練の内容に、アルコルが死ぬかもなんて言い始めたから、もしそうなったら蘇生してやると言っておいてやったが、そうしたら任せると言われた。縁起でもないからやめてほしいが……もし万が一そうなったら、必ず蘇生はするさ。

#5【陰謀の影】
 今回の依頼は、なかなかハードなものになった。
 大分前に依頼を受けたローゼス氏の持ち込んだ案件で、蛮族がガンドゥーム使っている、という話だ。
 当然そんな危険なものを持たせてはいられないので、ティオ、アルコル、サフィと共に、依頼人ローゼスに同行する流れとなった。
 敵のガンドゥームは、何か恐るべき、妙なシステムを積んでいた。此方が甘さを見せたのもあって、アルコルにはひどい負担をかけてしまったし、僕の魔法は全然冴えなかった。ティオが冷静に回復し、サフィとアルコルがちゃんと削ってくれたから勝てたようなものだ。
 自爆機構も積んでいたわけだが、『アルコルなら耐えられる』と勝手な油断を押し付けてしまっていた。実際耐えてくれたから良いものの、たった一人であれと渡り合っているアルコルにすべき仕打ちであったとは言い難いな。
 反省ばかりになってしまったが、ともあれ件のガンドゥームは討ち果たせた。例のシステムに関して、自爆してしまったから情報が得られなかったのは残念だが。
 分かったことと言えば、謎の存在がどうやら蛮族にガンドゥームを提供したらしい、という事だな。
 ローゼス氏の願いとは裏腹に兵器利用されるガンドゥーム……気分のいいものではない。何とかしたいところだ。

Lv9キャップ

#1【リアルタイムダンジョン第3層 part4】
 今回の依頼は、前に引き続いてフィルと極地の探索を進めるものだ。
 メンバーはエクス、エクエス、シモン、ライン、モフー。エクエスが本当に極地用の服を着ないで吶喊しようとするから呆れたが。
 さて、様々な罠に悩まされた前回とは裏腹に、今回は二連戦を味わう事となった。
 一戦目はかなりの猛攻を仕掛けてきたが、ほとんどすべてエクエスが受け止め、そのまま制圧と相成った。
 二戦目では、後方からマナの利用の阻害をしてくる厄介な敵が出てきた。魔法だけでなく練技にすら影響するため、前衛にもきつい類だったが、幸いそれら自体の戦闘能力は低かったため、敵の前衛を壊滅させ早急に決着をつけた。
 そうして、いよいよ城の麓までたどり着いたわけだが、城へと続く道は強風で隔たれており、直接向かうのは困難なようであった。何か、対策を練る必要があるだろうな。

#2【キズの証明】
 アイザック氏らが追っていたノスフェラトゥの件の中間報告が開かれるという話だから、収集に応じることにした。
 ヴァネッサ、ケイ、それにあとはまだ会ったことのなかったマロンというドワーフ。鉄腕の掟の冒険者側で集められたのは、僕を含めてその4名だった……のだが、マロンとケイが定刻でも現れなかったため、マロンの従えるゴーレムと僕らで話を聞くことになった。
 敵となるノスフェラトゥだが、奴らの狙いは、龍脈というジオマンサー技能にかかわる自然の持つ大きな力の流れを利用して、どうやら人族の駆除を行おうとしているらしいことが推測できた。当然それを防ごうという話になるわけだが、まだとっかかりになる手がかりがないため、今回は中間報告にとどまっていたわけだ。
 しかし、問題はここからで、話もほぼ終わりという段階に差し掛かったにも関わらず、まだマロンとケイが現れない。
 故に、僕らで捜索しに行くことと相成ったわけだが。
 すると、ケイの部屋にはハード・ロックでドワーフの男性が閉じ込められていて、どうやらこの人物がマロンだったらしい。
彼はケイの親友で、ケイは彼を部屋に閉じ込めてノスフェラトゥとの密会に行くためとある洞窟へ向かっていたのだ。
 アイザック氏に報告したところ、即座に馬車で送ってもらえることとなり、現場に駆け参じてみれば、足止めのアンデッドたちが姿を現す。此奴らを蹴散らして洞窟に入れば、何でも入った者の嫌な記憶を見せ続けるとかいう悪趣味な場所で、ケイの記憶についても見ることになった。
 彼はラルヴァの父を持つクォーターであり、父の死期が近く、ラルヴァは死を迎えればアンデッドとなるかノスフェラトゥとなって人族の脅威になり果ててしまう。それを防ぐため、彼の父は幼いケイを残し、家族の元を去って知人に自分の殺害を依頼していたのだ。
 責任を感じたケイは、それを一人で成し遂げるため、奥に父のいるこの洞窟まで一人で先走ったという顛末だった。
 マロンを中心とした僕たちの説得で、ケイは思い直し、一人でやるのではなく皆と相談する道を選んだ。彼は僕と似ているが、僕にはいない、かけがえのない親友を持っていたんだな。
 ケイを唆したノスフェラトゥの狙いはわからない……凡そケイの父が倒せないから、ケイに殺させることで障害を排除して洞窟の奥に行きたいのだろうが、まぁそれは今は後回しだ。
 ケイの血筋に課せられた宿命、それに決着をつけないとな。

#3【人魔の境界・最終演/深夜の部】
 ジョーランド氏からの、竜災に備える為の依頼の一環だ。
 非戦闘員を防衛要員として運用する為の防衛設備の拡充……今回はその中でも、バリスタの導入のために、過去にそれが運用されていたと推測されている砦の跡地を調べることになった。いまいち曖昧な表現に留まるのは、この砦の記録が殆どラゴニアに残されていないためだ。
 メンバーは、シオリ、オウル、コハク、ライヴァ、ケイ、それとアルコル。
向かった先では早速、地図の地点に遺跡らしきものが見当たらないというトラブルが発生、近くの地面の裂け目の奥を調べてみると、そこが埋没した遺跡の一角に繋がっていることが分かり、そこから侵入する流れとなった。
 僕とケイ、二人のウィザードが集まったことにより、探索は想定以上にスムーズに進んだ。というのも、崩れかけた扉の先の部屋の中を覗けるためだ。しかし、医務室と見做せる部屋にさえ人の遺体などの痕跡が一切見当たらず、不気味だった。
 そんな中まともに侵入できた部屋の1つが通信室で、そこでこの砦で何があったかの事実が語られていた……支援の途絶えた砦、ゆっくりと目減りする備蓄……そんな極限環境、持たせるために何が起こるかなど、口にするまでもない。
 そこは、善良で強い精神を持つはずの者たちの手で、地獄と化したんだ。
アルコルはその事実に直面し、人と妖魔の境界とは何か……そう、思い悩んでいた。だが、僕から出せる答えは、ない。ままならないまま、それでも時は過ぎるのだから。
 ともあれ、僕らは溶接され封印された扉を抜け、最奥へと向かっていった。
到達点……そこは、厨房。そこには、亡者の怨念の塊となった存在が、まだ『竜災』に抗い続けていた。その亡者たちを終わらせ、解き放つ為。僕らは武器を取り、挑んだ。
 怨念は強大だった、が……彼の持つカンテラの中より出てきた霊、便宜上『ハミングバード』と呼ぶが、彼女が力を貸してくれた為、無事に鎮める事が出来た。本人の承諾なしにアルコルの身体を使ったのはアレだったが。
 ともあれ……彼らの抗いは、確かにそこで続いていた。次は僕らが、ラゴニアを守っていく番だという事だろう。
 
#4【螺旋忍法帖_第8話】
 今回の依頼は、ラゴニア近郊の森でアビスフィアなる驚異を排除するというものだ。
 メンバーは、ぴにゃ、フィリップ、レイン、フィル。それと、基本的に死ぬことのないアビスフィアを封印できる『忍者』と呼ばれる特殊な技術を持つ三人組だ。うち、ミヅキとは前に別の依頼で顔を合わせていたな。
 アビスフィアは、人や蛮族の無念の魂を基底として生まれる怪物であり、存在するだけで周囲の魂を汚染する力を持つ。そういうわけで、その力に覆われた森を元通りにするのが今回の目的となる。
 一歩立ち寄るだけで、森の異常というのは明らかだった。とにかくその場から離れたいという感覚が心を満たすからだ。
 なんとかそれを忍者の忍法なるもので打ち消しつつ、僕らは先に進んだわけだが、道中で出くわした龍のような姿のアビスフィアは、異様に強くて手を焼かされた。
 それでも先に進んでいくと、蛮族をアビスフィア化させる危険な魔剣を持った女と、彼女に付き従う少女の二人組に出会ったわけだが。どうやらこの女、『災禍の渦』というアビスフィア研究を進める犯罪組織の一員らしい。名をノイズと名乗った。
 色々と聞いたら事情を話してくれたわけで、この森の異常は『レベルⅤ』なるアビスフィアの個体が作り出しており、その上にさらに強力な『レベルⅥ』がいるそうだ。
 それで、そのレベルⅤを僕らが倒そうという話に当然なるわけだが、向こうはそれが都合が悪いと、少女をけしかけてきたんだ。その少女もまた、アビスフィアとしての改造を受けた『ツインズ』なる存在らしい。
 なんにせよ退けると、そのツインズの兄だというカエデという人物が切り込んできた。彼は敵ではないらしく、幾らか情報を交換していたわけだが……そこへ折悪く、件のレベルⅤが飛び出してきた。
 例の龍のアビスフィアも山のように従えていたため、真っ向からかち合うのは不利とみて逃げることにしたんだが……この時、謎の少女が現れて撤退を手助けしてくれた。あの子が何者かはわからないが、助かった。
 アビスフィア、ノイズなる女の言葉を信じれば、いずれ世界を亡ぼす厄災のようだ。竜災でも手いっぱいだというのに、なんとも面倒な事である。ま、どうにかするしかないんだろうから、どうにかするさ。

#5【『Turn around. Look at what you see』第四話『Fighter's Honor』】
 白き竜の国、ヴィカル。その存亡を巡る戦いも、いよいよ佳境に差し掛かった。
 フェルマータ、フィル、ノエル、ククル、そして僕の五名は、竜ファータの言伝を受け、ヴィカル王女ルーリィ、そして白き騎士トーラチカの名を継いだサフィとともにヴィカルの王城を占拠する執政たちとの激突の場に向かう事となった。
 ルーリィ率いる反乱軍、現王率いる国王軍。二つの勢力をぶつけ、そのただ中で僕らと白き騎士という存在を、王の元へ叩きつける。そして、彼の傍に控える魔神の正体を白日の下に明らかとし、討伐する。それが作戦の概要だ。
 もとより国王軍の忠誠がすでに揺らいでいたこともあってか、作戦は滞りなく進み、無事に魔神の正体を暴くこともできた……てっきり影に潜んでいると思ったが、人形に自分の姿を幻影としてかぶせているだけだった。サフィが機転を利かせてくれなければ、僕は大恥をかいているところだったな。
 ともあれ目前で目論見をばらされた魔神は、幼竜の生命力を吸い上げて動くゴーレムをけしかけて逃げおおせた。
後を追いたいところだったが、ここで竜たちを助けなければ魔神を取り逃すよりはるかに致命的な亀裂が国に走る。
故に追跡をあきらめ、この戦略級ゴーレムに対処、破壊し、とらわれていた幼竜たちを救出した。
 元凶こそ取り逃したとはいえ、ヴィカルがついに国の窮地から抜け出せたことは事実だ。近隣国家の辺境領主として、素直に喜ぶべきことだろう……恩も山ほど売れたしな。
 後はあの魔神を討伐するだけだ。何、竜災よりは御しやすい相手だろうさ。

#6【夜明け前が一番暗い -The darkest hour is just before the dawn-】
 なんでも、コハクがカミとかいう名前の厄ネタに付きまとわれているらしいので、そいつを退治しに行くという依頼だ。
 メンバーはアシュリー、ククル、モフー、それと初対面のレヴィトラ。
 件のカミというのは、話によれば竜を核にし信仰によって神性を帯びたタイプの奴で、今では信仰がほぼ途絶えている為人の手で打倒しうるレベルに弱体化しているらしい。
 実際のカミがどうであったかと言えば、記憶を奪うという厄介な性質を持っており、また壁によって彼我を遮断することでこちらを妨害してくる中々面倒な相手だった。
 コハクが事前に持たせてくれた札のおかげで、何とか安定して攻略することができた。
 撃破後、いきなりコハクにカンロなる男が取り憑いてきて、記憶を支配する竜が消えたことで、失われていた悪い記憶全てがコハクに戻ってしまったという旨を説明してきた。
 そいつは、それ以上記憶が漏れないようにもう一人と共にカミのいた領域を閉じるという話だったが、コハクは僕らに預け、自由に生きさせるつもりのようだった。
 そう選択せざるを得ないという状況で出てきて、勝手にコハクを押し付けていったのにはあまり良い気はしなかったが、彼らも大変なのだろう。
 ともあれ、カンロの話によれば、色々とこれからもしばらく封印の“漏れ”が出るそうだから、そいつらを何とかしてほしいとのことだった。そいつらを放っておけば結局助けたコハクがまた面倒な事になるので、まぁ、やるしかないだろうな。
 なんにせよ、コハクが少しでも楽になったのなら、甲斐があったというものだ。

Lv10キャップ

#1【呪いは煙に溶けて】
 鉄腕の掟に所属する一員の一人、アトリッサ。今日は彼女の身にふりかかった呪いを解呪する為、その素材を取りに魔域へと赴く事となった。
 メンバーは僕と依頼人含めククル、フィリアノール、シオリの5名。シオリとフィリアノールは交際を始めたらしい、めでたい事だ。
 さて、アトリッサの身体にかかった呪いについてだが、本人の肉体年齢を幼少期のものに固定するという代物だそうだ。パーフェクト・キャンセレーションによる解呪も試そうとしたそうだが、正規の方法以外での解呪を試そうとすると厄介な事になる仕掛けが積まれているらしい。
そんなとんでもない技術を使ってどんな呪いかと思えば、別に直ちに生死にかかわることもなく、本当に身体年齢を若返らせるだけというのだから、何とも言えない呪いではある。
 ともあれ、その解呪の為の素材がアビスツリーの近縁種からしか採れないという事なので、僕らは連れ立って魔域へと突入することになったわけだ。
 どんな魔域に入ったか……経緯の詳細は省くが、魔域の内部はアトリッサの暮らしていたという城を模したものになっていた。おかげでアトリッサの案内が効いて、広大な城の内部を迷う羽目にはならないで済んだのだが、全くその城そのままではなく、魔神もちょくちょく湧いてきたので、ある種魔域らしいはらしい攻略と相成った。
どうやらククルはアトリッサの国の関係者らしく、城内部にも見覚えがある用だった。そこの国の姫に復讐すると言っていて、本気で戦力を整えてドンパチやる気みたいだが、まぁ、その辺りは深入りする気はない。
 ともあれ、魔域の攻略そのものは順調に進んで、アビスツリーの近縁種も問題なく討伐できた。
そしてアトリッサも無事に呪いを解いたわけだが、本来の姿は正しく妙齢の女性という表現が相応しい絶世の美女という風貌だった。フィリアノールは味方が減ったとひどく嘆いていたが……。
 今のアトリッサは、国を背負う任を終えご意見番として好きに生きているらしい。僕もいつかは領主の仕事を誰かに引き継いで、ああして自由に生きる未来が欲しい所だ……まぁ、むこう300年以上は先の話だけどさ。

#2【騒めく森林】
 今回はクスノキ氏の依頼で、例のごとく森に危険な素材を取りに行く仕事だ。
 メンバーは僕を含めフィリップ、レヴィトラ、モフー、ククルの合計5名。アルコルも同じ地域で採取作業をしているから、運が良ければ合流できるという話だった。図らずも紅一点となりククルは喜んでいた。
 道中は、望遠鏡や北向きの針がなかったために迷子になる一面があったり、クラッシュベアの群れに襲われたりと中々騒がしくもあったが、休息をとる時間は十分にあった。採取器具を持ちながらの行軍だったが、苦にならなかったのは流石はクスノキ氏というべきか。
 くだんの植物を発見し採取ポイントへ近づこうというとき、忍び寄ってきたアルコルと合流と相成った。
こちらは事情を知っていたが、彼女は知っていたわけではないという事もあり、殺気を漂わせながら警戒していたものの、僕らを認めるとすぐに引っ込め、更には自分の任務は終わっているのに同行を申し出てくれた。
対価に奢りを要求されたが、アルコルという戦力が増えるなら安すぎると言えるレベルだ。
向こうとしても、僕らと同行できることで危険を回避できるということで、まさしくwin-winの関係だったわけだな。
 さて、問題の植物たちだが。
例の寄生グマを含め、一つ目の林檎に花粉をばらまく樹と、奇怪な生態の植物の詰め合わせセットという感じだ。
魔神の群れもかくやというグロテスクな集団だが、今更おじけづくような僕らではない……ククルは否定しそうだが。
危なげなく攻略し、無事に素材を持ち帰る事が出来た。
 アルコルの話によれば、今回持ち帰った分も当日中にクスノキ氏の手によって加工されるとのこと。
忙しい話だが、それほどまでに竜災が迫っているという証でもあるだろう。
僕も、ラゴニアを守るために備えないとな。

#3【異世界迷宮(外編) 死を超越せし竜】
 今回は、ルオという人物とフィリアノールが二人で立ち上げた依頼に参加した。死を超越した竜、ヴァルハザクという魔物の討伐だな。
 メンバーは僕含めシオリ、コハク、スノウ、アルコル、ライヴァの6名に、サポートとしてフィリアノールが同行。計7人だからそこそこの大所帯となった。シオリの使い魔をコハクの使い魔と間違えてしまったのは申し訳なかった。
 向かった先は当たり一面魔物の骨で満たされた谷だった。異世界迷宮というだけあって、この世界とは異なる魔物や植生が根付いているようだ。迷宮というよりは魔域にに近い感覚かもな。
 くだんのヴァルハザクを倒すため、まずは現地の食材を集め料理を作る事が重要とのことで、最短経路ではなく大回りで探索を重ねて向かう事となった。
 環境が環境なだけあって、毒や病気属性の自然の驚異が襲ってきたわけだが、そこは種族エルフの持つ剣の加護が役立って、僕は危なげなく抜けられた。他のみんなも各々のやり方で対策をしていたな。
 さて、最終的に沢山の食材が集まり、アルコルが二品の大皿を用意してくれた。これを食べれば、成程確かに絶品であると同時に、ただ食事を食べたとは思えないほどの活力で身体が内側から満たされるようだった。それが異世界の食材の持つ力という事だろうし、適切な調理法でそれらのリスクを抑えて良い影響だけを遺したアルコルの調理技術にも感服というものだ。
 そんな料理の力も相まって、件のヴァルハザクは本来かなり恐るべき相手だったものの、危なげなく勝利をつかむことができた。その後求めていた素材たる死宝玉を臭い屍体の中から取り出すのは大変だったけど。
 その後はさっさと帰還して、皆でヴァンニクの湯へ向かい、身体を清めて解散だ。
最も、夜に余った食材でまたアルコルがヴァンニクの湯で料理を振舞ってくれたから、僕も食べに向かったわけだが。
 味の良さは勿論だけど、やっぱり皆で囲んで食事を食べるというのは、それだけでなんだか、嬉しいものだよな。

#4【其は掲げられし荊棘の燈 -eine brennende Blume blüht-】
 ラゴニアになんだか真っ黒い巨大な化け物が迫って来た。どうやらシオリが色々知っているアレらしいが、まぁそんなことはどうでも良い。
 とにかく迫る脅威を廃絶する為、フィリアノール、スノウ、アルコル、ククルと僕の五名は、急いで戦線に赴くことになった。あと、シオリが先んじて命令も受けずに飛び出し偵察に出ていて、合流した。フィリアは凄く怒っていたな、まぁ当然だけどさ。
 その偽神とかいう化け物だけで面倒なのに、そいつは大量の魔物を生み出してるし、なんかそいつらとは関係なしに戦りあってる二人組がいるしで、もうどこから手を付ければって感じだが、まぁとりあえず二人組は放置で偽神の軍勢と戦う事になった。
 これがまぁ大変で、流石に僕ら全員が力を合わせてもどうにもならないか、と感じられるほどだった。しかしシオリの使い魔、クァンタムの奇策が上手く行ったようで、何とか偽神とその軍勢を滅ぼす事が出来た。そしてついでになんか戦ってた二人組も凹った。フィリアが敵だと言ったから敵だ敵。
 なんにせよ、なんとか全員、生きて帰れて良かったと思う。世界を守るのだって楽じゃないな……本当。

#5【カゾクの証明】
 ケイの父親の件だ。彼を迎えに行くため、例のダンジョンに再び潜った。
 今回のメンバーは、僕とケイを含め、マロン、コハク、オウル、アカツキの計6名。マロンとケイはともかく、後はそこまでかの人物に縁深いわけではないが、だからこそできるサポートもあるだろう。
 さて、例のダンジョンについては前回の依頼でも関わったメーヴェ氏から解説を受けた。
《昏い淵》という名で、侵入者の辛い記憶を写し取り、映像として見せるというなんともたちの悪い性質を有している。
 ほんの一時間にも満たない滞在だったケイでさえ囚われかけた心の迷宮だ、そんなところに閉じこもっているケイの父親の心境など、僕が想像した程度では追いつくこともないだろう。
そして実際にその推測は当たりだった。何故なら、迷宮の奥に潜る過程で、ケイの父親の記憶に触れていかなければならなかったからだ。
 彼の記憶を辿るという事は、彼の半生を辿るという事だ。それは……詳細は伏せるが、とてもとても、過酷なものだった。
彼があらゆる障害や喪失の果てに、一つの光と出会うまでの物語……。過酷だが、相応の報いはあった。僕には、そう思えるものだった。
 二人の再会。それに立ち会えて、良かったと思う。僕にもまた、父と母がいるのだから。僕もきっと、そうなんだろうと思えるから。
 ケイ……彼の存在こそが、まぎれもなく。彼の父親と、母親の。そして、『家族の証明』、なんだ。

#6【仮想演習:レッドドラゴン】
 僕、アルコル、レイン、ティオ、ククルの五人で暇してたら、ローゼス氏が丁度良くシミュレーションの依頼を持ってきてくれた。
 渡りに船と受けることにしたわけだが、アルコルは寒い寒いとだだを捏ねていたな。まぁ、可愛いの範疇で済む程度だが。
 流れに関してこれと言って特筆すべき点もないが、戦域魔導術ベロニカを試させてもらえたのは個人的にはなかなかの収穫だった。やはり事実上1手多く魔法を使えるというのは強い。
 さて、今回もシュミレーターに入ってローゼス氏の駆るレッドフレームと模擬戦をするわけだが、何やら今までよりも強化されており、その強化形態を氏は『レッドドラゴン』と評した。三枚の盾のような強化武装が、様々な形態に自由自在に変形するらしい。さらにその武装の量産体制も整っているとか。凄まじい技術だな、ククルがすっごい食いついていたよ。
 ともあれ戦闘だが、何より驚きなのはその硬さだろう。アルコルとレインの二人が揃っても中々刃を通さない強靭な装甲の防御力は素直に驚嘆に値する。
 勿論驚いているのはそちらばかりではなく、目玉ともいえる主砲のお披露目を受けたわけだ……ご丁寧に僕はロックオンまでされて、な。凄まじい光の奔流に呑まれた時はシミュレーションながら死の気配を感じたよ。
 その後は全力を出し尽くしたらしく、わずかな反撃の後に自壊してしまったわけだが、これほどの機体なら僕らと並びたてるとローゼス氏は喜んでいた。
 僕らとしても頼もしい所だが、一番はガンドゥームという魔動機が、戦闘ではなく元の重機として正しく運用される未来が来ることだ。そのためにも、今戦わなくてはな。

#7【今日は、単なる明日の昨日ではない -Today is not just tomorrow's yesterday-】
 コハクの依頼で、記憶の残滓の怪物のようなものの討伐だ。前回の竜の撃破の後処理に当たる依頼だな。
 コハクと僕以外のメンバーは、アルコル、フェルマータ、スノウの三名、合計5名。コハクの故郷の村が発生源とみて、僕らは森の中を進んだ。
 その過程では、記憶の残滓を祓いつつコハクから幾つかの質問に答えた。自分の役割とは何か、将来ラゴニアを離れるのか、忘れたい記憶はあるのか、幸せを感じるのは何時なのか、あとは服をどうやって決めているのか。
どれも十人十色と言った感じでばらばらの答えが彼へ返って行ったわけだが、求められていた立場を失い何をしていいかわからないコハクにとっては、励みになったようだった。
 やがて村に着くと、記憶の残滓の集合体が、僕らまでをも取り込もうと襲い掛かってきたので、これも返り討ちとした。
その際に奴がため込んでいた記憶が一気に周囲に放出されたわけだが、もう記憶同士が重なり合いすぎて何が何だかわからなかったな。あの黒と雑音の山が、ずっとコハクの頭の中を埋め尽くしていたらしい。それは確かに、辛くもなるだろう。
 コハクは黒の中で、僕らに最後の問いを投げた。自分は、明日を迎えていいのか、と。
素直に肯定する事はできたが、そこはまぁ、素直になれない僕だ。ちょっときつめの言い回しを返しておいた。
他の三人からの回答も受けて、コハクはついに前に進む決意を決められたらしい。すこしすっきりとした顔をしていた。
 僕はそこまで彼と縁深かったわけではないが、それでも後押しとなれたのなら、嬉しいと思う。彼もまた、鉄腕の掟の仲間の一人だしな。

#8【凍てついた瞳が映すモノ 前編 ー再演ー】
 ラゴニアの街中に魔域ができたそうなので、至急対処しに行った。集まったメンバーは僕含めサフィ、ククル、アルカ、ミヅキ。
 魔域の中は、ハルヴドラケンとして生まれついたとある人物の半生を再現したものであった。
そのとある人物とは、外ならぬフィルその人のものであり、産み落とした親に棄てられ、生死のふちをさまよったところを育ての母たるドレイクに救われるというものであった。
 そのドレイクはとても珍しく、剣持ちにも関わらず人と仲良くすることを望んでいた様子で、彼女の庇護下においてフィルも人を好きになれるように願いながら生きていたようだった。
しかし、今の氷のような表情のフィルになる経緯は当然あったわけで、彼女らの幸せを破壊する略奪者が現れ、フィルの家族を皆殺しにしていったのだ。理由も信念も正義もなく、ただ己が利と欲の為に略奪と蹂躙を振りまく男。あのような手合いの発生はどのようにして防ぐべきなんだろうな。
 結局その男の姿は魔域を作った魔神が真似ていたものだったわけだが、それがフィルの心を折ったがゆえに、彼女は母の残した魔剣を起動して暴走してしまった。全く余計な手間を増やしてくれたものだ。
 なんにせよ、もう一度フィルを助けに行かなければならない。

Lv11キャップ

#1【凍てついた瞳が映すモノ 後編 ー再演ー】
 フィル救出の時が来た。カタリベ氏の依頼という形式だ。メンバーは僕に加えエクエス、エクス、シモン、ヴェル、ルリア。
カタリベ氏からは、『彼女の居場所を壊す覚悟はあるか』と念を押された。僕はあまり彼女とは親交が深くはないから大きなことは言えないが、他のメンバーは誰一人納得していない。ならば、彼女は自身の行いで、彼女を大切に想う人々の居場所を壊そうとしている、という事だ。それは看過できないな。
 覚悟の確認もでき、カタリベ氏から耐寒スーツを受け取って僕らは魔域へ突入した。生物の気配はなく、氷塊の身が浮かぶ暗黒の氷原はまるで彼女の心象風景そのもののようであった。
 シャボン玉という形で実体化した彼女の本音を聞きつつ先に進めば、気づけば最奥。彼女の生家であった城の中心部へとたどり着いており、そこでフィルは彼女の家族の亡骸と共に眠っていた。
 声を掛ければ、僕らへと拒絶の意志を示しながら巨竜へと変貌するフィル。だがその心には確かに迷いがあり、『止めてほしい』と叫んでいるかのようであった。
 だからこそ、彼女の最後の意地を折るため、僕らは正面から戦いを挑んだ。
 満身創痍になりつつも僕らの猛攻に耐え、押し返してくる氷槍龍フィル=スティーリアの猛攻はすさまじいものだった。エクエスなんて脇腹に穴が開いていたしな。
 しかし、確かに僕らは耐え、彼女を倒した。それでようやく、フィルも素直に僕らを頼ろうという気になれたようだ。
 一件落着、といった感じだが、まだ極地の攻略は完了していない。早く、彼女の過去の清算を終わらせてやらないとな。

#2【ヤクソクの証明】
 ノスフェラトゥの氏族、ヴェントロの件。此方に関してもいよいよ本拠地へ乗り込むという時がやってきた。
 本拠地の立地が立地な為、投入できる戦力は少数精鋭。中核メンバーとなるのは、僕とケイ、ケイの父含め、マロン、カナタ、アカツキ、ルリア、シモン。合計9人と中々のメンバーだ。
 さて、件の本拠地だが、かのサンドキアやサイレックオードの如く、空中に浮いた浮遊台地の上に築かれているらしく、言うなれば空中移動要塞という事になる。そこへ飛空艇で突っ込み、ヴァンパイアの氏族を排除し浮遊台地を停止させる、というのが大雑把な作戦の流れだ。
 さて、実際に行ってみれば、勿論妨害は想定してはいたものの、予想よりはるかに多い数の軍勢が待ち構えていた。軽く10万は行っていたかな……当然事前に用意できた戦力で同行できる規模ではなく、敗色濃厚……だったのだが、そこへ援軍たちが駆け付け支援してくれた。なんでも、僕らが過去に救った一般人たちが呼びかけてくれていたらしい。人の縁とは、数奇な形で実を結ぶものだな。
 それで趨勢は逆転し、僕らは防衛線を突破、浮遊城の内部へ降り立った。
 突入されることを想定していなかったのか、内部に敵の姿はなく。奥を目指して進む僕らの前に現れたのは、あのヴェントロの氏族の双子であった。
 相変わらず幼稚で稚拙な悪意を振りまいてくる双子だが、あまりに僕らの事を舐め過ぎていたな。メテオ・ストライクこそ中々に強力だったが、僕らの攻勢を押し返すには及ばなかった。
 撃破すると、普通のノスフェラトゥとは異なり、双子がリンクするように崩れ落ちて果てた。決して相容れぬ不死の怪物とはいえ、こうなると哀れだな。彼らの魂が正しき輪廻へ戻れるように。
 そして、残すところは彼らの父、この城の親玉だ。今まで弄ばれてきた命の分まで、その存在に刃を突き立ててやるとしよう……もっとも、僕が使うのは魔法だけどね。

#3 【子午線の祀り】
 ヴィカル王国を混乱の渦に落としたモネディーとの決戦の時だ。
 僕、フェルマータ、フィル、ノーラ、メェルゥの五人は、ルーリィ女王殿下、及びサフィ率いる不死鳥の騎士団に加わり、奴の討滅の為異界へと赴いた。
そこに待ち受けていたのは、妖精や動物、幻獣……こちらの世界の生物と混ぜられた、奇妙な魔神たち。彼らは死すれば故郷に還ることもなく消えていった。それらはすべて、モネディーの研究によるものだったという。
 そしてその先で待ち受けていた、真の姿を現した奴と、僕らは最後の決戦に赴いた。
戦いは死闘というべきものだった。騎士団がかばってくれなければ、フェルマータは死んでいただろう。
特筆すべき活躍をしていたのはメェルゥだった、ボルツでの竜牙4本撃ちはおそらく二度と見られない光景だったろう。国家予算……。
支援特化のノーラ、中衛のフィル、そして支援もこなせるアタッカーの僕でバランスよく立ち回ったものの、それでも奴は強かった。サフィ、そして強く成長したイーヤの力、全てが揃ったからこそつかめた勝利だった。
斃れ消えゆく中で、奴もまた、フェルマータの中に同じ灯を見たようだった。分かり合えない魔神ではあったが、奴もまた求道者であったことに変わりはなかったんだ。
 ともあれ、これでヴィカルを苦しめた災いはすべて終わった。本当に忙しくなるのはこれからだ……、僕もアルケナス領の領主として、今後も良い付き合いをさせてもらうために……大きな『一手』を打ち込ませてもらうとしよう。

#4【"ヒト"の証明】
 永きに渡り多くのヒトの命を弄び、運命を蹂躙してきた冬の氏族の長。ノスフェラトゥ、ケーニッヒ・ヴェントロの首に、刃を突き立てる時がやってきた。
 双子を討ち果たした後、セドリック、ケイ、メーヴェと共に、僕、シモン、アリア、カナタの4人で、奴の待つ玉座へと乗り込んだ。
 ケーニッヒは、まるでおとぎ話に出てくるかのような『傲慢な王』そのものであった。自分以外の全てを見下し、只一人で玉座にふんぞり返る、一人ぼっちの王。
そうであることが許されてきた理由たるその力は極めて強大で、氏族の力によって僕らは一方的に蹂躙されるところだった……が、セドリック氏が秘策を講じ、玉座の間を太陽の下にいるのと同様の環境にすることで、弱体化させることに成功した。その時、またモルスダールには助けられてしまったが。
 氏族の力を喪い、太陽の下に立たされたのであれば、僕らにも十分に勝機はあった。第二の剣の眷属の象徴たる『個人の力』を、第二の剣の眷属の象徴たる『数の調和』によって埋め合わせ、僕たちは連携して彼を相手取った。
 相手の行動など考えもせず、一方的に力だけを押し付けてくるケーニッヒ。攻撃の威力こそ高けれど、単純な力押し故に対処は容易かった。双子の連携の方が、僕にとっては脅威だった程だ。
シモンが死にかける局面はあったが、セドリック氏の齎してくれた秘策のおかげで復活。僕らは無事、全員で孤独な吸血鬼の王を打破することに成功した。
 戦闘後、その秘策を用いた代償として、セドリック氏は吸血鬼としての力を喪い、只の人間になった。命を喪うか、力を喪うかの二者択一の賭けだったようだが、これに勝利したのだ。もう二度と、彼は吸血衝動に苦しめられることはない。
これからは、家族の元に戻れるんだ。
 そしてラゴニアに帰れば、ケイとセドリック氏、そして僕たちを、セドリック氏の奥さん、つまりはケイの母上様がお待ちになられていた。
深い愛で繋がれていながら、一度は離れるしかなかった三人が、これからはまたいつでも一緒に過ごせる。それは、凄く優しい事だった。これまでの戦い全てが、この結末に辿り着く為だった、と、そう思えるほどに。

 ……それと。ラゴニアに帰る途中、去って行くモルスダールに挨拶をされたから、こっそりと応えておいた。アンデッドは正常なる輪廻に還るべきだが……彼の魂が、現世でまだ何かを為したいというのならば、仕方ない、見逃してやろう。それが、彼へのせめてもの恩返しだと思うから。

日記より抜粋(RP)

Lv2キャップ

『はだかのつきあい』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1014835752372285441/1018384815873069056
 なんて日だ。そろそろ身体を清めておきたいと思って公衆浴場に入りに行ったら、混浴に案内されてリリと鉢合わせてしまった。
 強調しておくが勿論わざとじゃない、不幸な事故だった。リリの名誉のためにも強調しておく。
 まぁ、それに大したことはなかった。あったけど。
 僕がくだらない感情的理由で彼女へ不快な態度を取ってしまい、それに気づき、今までの態度を正しただけだ。
 結果こそが全てだ、如何なる物事も人物も、種族だとかなんだとかはそれに付属する要素に過ぎない。社会が彼ら彼女らを肯定するなら、僕にどうこうする理由など存在しないのだから。
 だから、同じ湯舟に浸かる事なんて、大したことでもなんでもなかったんだ。彼女はナイトメアだけど、それ以前に僕と冒険を共にしたリリという少女なんだから。
 ……本当にあった大したことというのは、いや、あれも大したことではないんだが。ちょっとした事故があった。
 まさか自分の目が悪いことに感謝することになる日が来るとは思わなかった。それだけだ、本当にそれだけだ。輪郭しか見ていない。

Lv3キャップ


『或る朝の一幕』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1014835752372285441/1018384815873069056
一人RPにつき日記部分はなし。

Lv4キャップ


『貴族と舞台人の打算的恋愛』https://discord.com/channels/1008584249428955219/1008589424440909874/1027152500756848670
 最近日課になってきたギルドの書類調査をやっていたら、前に会ったティエンスの女にやたら見つめられた。
 名前はフェルマータ・オリオール。前回会った時と違って顔にも声にも感情のない人形みたいな様子だったからなんだか不気味だった。
 最初は無視するつもりだったけど、あんまりにも見られて落ち着かないから反応してしまった。
 すると冒険者じゃないから同じだとか謎の仲間意識を抱いてくるし、舞台人とか言い始めて頼んでもないのに演技を始めた。
 前会った時と似たような感じになっていて、『人格ごと演技している』というのが理解できた。
 なんでも舞台人として定められたように生まれてきて、定められたように演技をこなせる才能の持ち主で、トップスタァにまで駆け上がったらしい。にもかかわらず劇団からは放逐されてここまで流れてきたんだとか。
 全く、肝心の才能だけない身の上としては羨ましい限りだよ。『持たざる者の事がわからない』なんてさ……。
 ともあれ、安っぽい人生相談の真似事みたいなことをしたら、その後急に『付き合ってほしい』とか告白された。
 なんでも恋愛というものを理解したいんだとか……まずそうやっていきなり彼氏彼女の関係を求めてる時点でアレな気はするけど。
 最初は勿論断ろうと思ったけど、考えてみれば悪い話じゃない。
 中々大層な肩書の持ち主だし、こっちが頼めば『理想の彼女』としてだって演じて見せてくれるだろう。
 どうせ三年後には縁も切れるしな、だったら貴族として恋愛経験の糧になってもらうのも悪くない。
 そう思ってOKしてやることにした。お互いに打算だから罪悪感もないしな。

『近くも遠い二人として』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1014835752372285441/1027605581273501726
 彼氏彼女の関係になったわけだし恋人っぽいことをという事で、流れで混浴をすることになった。どうしてこんなことになった。
 ただ、確かにフェルは美人なんだけど、どうにも異性への好意という感情を向ける気になれないでいる。
 その理由というのがここで偶然にも分かった。あいつは幼すぎるんだ、見た目に対して心が。
 僕を求めてるのも異性として、というより、自分の求めるあらゆる意味での『愛』をくれるかもしれない、という無意識的な希望を感じているからなんだろう。
 失敗を知らず完璧に自分の役割を成し遂げてきた少女、成し遂げる事しかしてこなかった少女……ある意味ではかつての僕の理想像というべき存在だったんだろう。今となっては、目につくという以外は何とも思わないけどな。
 正直今のあいつを彼女として見るのは無理だけど、少なくとももうちょっとマシになるくらいにしてやらないと、痛々しくて見てられないな。
 
『お昼頃のデート?』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008589424440909874/1027865263149948948
 昼食を食べようと思ったら、たまたまフェルと会ったから二人で食事をとることにした。
 けど、お互いに明確な食べ物の好みがないせいでちょっと微妙な空気になったりした。
 結局適当なメニューを選んだけど、相手の好みを把握していないと彼氏らしい振る舞いができてるとは言えないよな。
 あいつの頼んだザリガニは苦手だったけど、どうにか体裁は保てるように努力しよう。

『学徒とメイドと好物と』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008589424440909874/1028603366215000154
 集中して仕事をしていたらすっかり暗くなってしまっていた。
 夕食を頼もうかと思ったらへカテリーナが気をまわして紅茶を用意してくれたので、そのまま食の好みの相談をすることにした。
 おかげで、ずっと昔にオムレツを家族で食べた思い出を思い出す事ができた。思えば、後にも先にも同じ皿から料理を取ったのはあれが唯一だったな。
 彼女は誰かに仕える存在としてふるまいたがるが、僕にとっては対等ともいうべき友人だ。感謝している。

『ピノキオも真似事から、やがて』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008589424440909874/1028978364842770452
 フェルマータに急に呼ばれて、何かと思ったら弟のフォルテと引き合わされた。というか弟もラゴニアに着てたのかよ。
 事情を聴けばむしろ弟が大使としてやってきたのにフェルマータがついてきた形らしい、なるほどな。
 せっかくだからフェルマータの誕生日を聞き出したら9/1でもう過ぎてた。フォルテが用意してくれた誕生日プレゼントのネックレスをつけさせて貰ったし、僕からはひよこのぬいぐるみを贈った。あいつ、気に入ってくれてたらいいんだけど。
 フォルテのやつは何か僕に期待してるみたいだったけど、僕はあいつを利用するだけだし、あいつだってそうだ。
 せめて、もう少しまともな情緒を身につけさせてやりたいな、くらいの気持ちはあるけどさ。

Lv5キャップ

『恋バナ?』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1014835752372285441/1031194007260385350
 アシュリーと二人でちょっとした依頼をこなしたんだけど、その帰りにヴァンニクの湯に入ることになった。
 せっかくだし貸し切り状態の混浴にと誘ってみたら、なんだか妙に尊敬されたからついつい彼女持ちだって自慢してしまった。
 そうしたら、あいつもなんだか気になる子がいるらしくて、しかもその子とデートまでしてることがわかった。僕だってまだだったんだけど……。
 デートどころか泊まりで一夜を共にしたとまで聞いた時は流石に心底驚いたけど、どうやら僕の価値観とはだいぶ意味合いが違ったようだ、まぁアシュリーがそこまでできるとは思えないし……。
 ともあれ、上手く行ってくれることを祈る。僕は僕でデート位やっとかないとな、混浴まで済ませたのに。

『契約恋愛の初デート』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008590776642588784/1032225751329681469
 というわけでクェレブレまでフェルマータとデートに行ってきた。善は急げだよ。
 完璧なプランを練ってきたつもりだったけど……秋祭りとかちあったせいで予定は大幅に狂う事になった。
 普段と違う格好のフェルマータにはドキッとさせられたけど、最初に行ったスイーツショップは正直失敗だったな、人多いし、そもそもフェルマータはドーナツとか好まない。彼女の食の嗜好を聞いた結果、焼きりんごを食べる事にした。甘くておいしかったよ。
 次はファッション街でウィンドウショッピング……のつもりだったけどこちらも混んでいて骨董屋にしか行けなかった。
 フェルマータが鳥と蛙の置物を買って、鳥の方を僕にくれた……あいつからプレゼントを貰ったの、これが初めてだよ。
 最後は劇場に人形劇を見に行ったよ。これだけは上手く行って、本物の人形劇を観たことがなかったフェルマータには、凄く良い刺激になったみたいだ。僕もあいつの力になれたのは、素直に嬉しかったよ。
 後はそれぞれの部屋に帰って寝るだけ……だったんだけど、あいつに挑発されたせいで勢いで同じベッドで寝てしまった。
 勿論寝ただけで手は出してない……出せるわけないだろ。
 このまま、契約恋愛をつづけていて、いいのかな。なんて、思ってしまう。あいつはきっと、僕の事をそこまで重くとらえてはいないのに。

『食事の幸福について』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008590776642588784/1036581496036798474
 夕方、たまたま訓練所の前を通ったら、アルコルが雨の中ずぶぬれで剣を振っているところに出会った。
 流石にそのまま放っておくのもアレだから声をかけたら、雨が降り始めたのにも気づかないくらい集中していたらしい。大したものだけど、やり過ぎだよな。
 その後は打算もあって夕食に誘ったけど、大分価値のある時間になった。僕は今まで大して食というものを楽しんでこなかったし、それを自分で問題視するようになったわけだけど……そもそも、当たり前に三食食べられること自体が稀で、今日口に糊するだけで精一杯の人も、山ほどこの世界にはいるわけで。そういう人々から見れば、温かい食事にありつけるというだけで、それはもう、至上の幸福なのだ。フェルとのデートの教訓にしたいなんて下心から取り組んだ自分がちょっと恥ずかしいな。
 アルコルには、『考えすぎて馬鹿』という寸評を貰ったけど、まぁ、それも僕には的確な評価なのかもしれない。とはいえ、アルコルほど刹那的に生きるのも、それはそれで問題だとは思うけどさ。

Lv6キャップ

『年跨ぎデート』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008590829830557757/1036947299600965672
 ラゴニアの年末を、フェルマータと一緒に過ごした。
 契約恋愛だなんて言っていたくせに、僕はすっかり彼女にのぼせてしまって、甘い時間を過ごすことを喜んでしまっている。
 今日もまた普段とは異なる冬着姿で現れた彼女は新鮮だったし、手を繋いでそばを歩いているだけで幸福な気分になれた。
 色々な所を回ろうと思っていたけど、結局ラゴニア内の適当な喫茶店に入って、そこでオムレツを食べて、話しているだけで時間が過ぎてしまった。
 今思えば、会話の内容はそんなに重要じゃなくて、ああして同じ時間を一緒に過ごしたことが重要だったんだろうと分かる。
 話してるうちに外から除夜の鐘が聞こえてきたから、二人で店を出て、静かな日時計の広場で僕は彼女に相互フォローの耳飾りをプレゼントした。
 彼女は本当に喜んでくれて……『恋愛』というものを、理解できた。そう言っていた。
 彼女の力になれたら嬉しい。ただ……少しだけ、怖い。フェルが未来の話をするたび、僕と彼女が、ずっと遠い世界で生きていると思わされるような気がしてしまったから。

『幼年期の終わり 先触れ』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008590829830557757/1039357534265409607
 自己RPにつき割愛。

『学びの楽しさと、冗談の大切さの話』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008589653181480990/1039564288093855784
 たまたま空き地の前を通りがかったら、ルーリィ王女殿下が魔法の練習をしてらっしゃった。
それがダイケホーン双霊氷法だったものだから、思わず足を止め、その光景を観察させてもらうことにしたわけだけど、妖精魔法の才能のない僕としては、まぁ綺麗な魔法だと思う。
 ただ見せて貰ったというのもなので、せっかくだからとそのままいくらか話し込んだ。サフィとは違って、先輩とは同じ学園の魔法使いという事もあって、話題が合うので話しやすい。気づいたら学ぶ事の楽しさの話題になっていた、先輩はどうやら良い師に恵まれていたようだった。僕の師も、もっとわかりやすい話し方をしてくれれば尊敬も出来そうなものなのだけど。
 それでその後は、ファルマーが王家の石の取り扱いが云々みたいな話になったから、過去か未来からでも拾ってきたんじゃないか、と冗談のつもりで言ったのだが、どうやらそれが正鵠を射ていたようで、王女殿下は考えこみ、そのまま去って行ってしまった。
 数時間悩んで考え出せなくても、ちょっとした休憩の時にいきなり解決法が思い浮かぶ、そういうこともあるもんだよな。

『貴族と舞台人の道』https://discord.com/channels/1008584249428955219/1008590829830557757/1040561674039599104
 フェルマータと、別れた。彼女は舞台人、僕は貴族として。それぞれの道を、歩むことにしたんだ。
 こうなる事は初めから決まっていた……なんて。誰にだって言える。そうじゃないんだ、僕は彼女と付き合って、契約恋愛なのに、お熱になって、彼女を本気で好きになってしまって。そして、僕の今までの人生と、他の人の人生の違いについて、直官として気付いて。
 そういう積み重ねがあって、辿り着いた答えだったんだ。
 だから、彼女とは約束をした。この先の人生、何にも負けない為に。35年後か、485年後か、たった一つの輝きへの『答え』を叩きつける為に。
 僕らは、進み続けるんだ。きっともう二度と、交わる事のない道を。
 これが僕の、幼年期の終わり。その、幕引きだ。

『二又の流星』https://discord.com/channels/1008584249428955219/1008589850192138240/1040852916103299122
 今日は白鳥座のラゴニア初公演とのことで、せっかくだし観に行った。初演をこなしたのはほかならぬフェルマータの弟のフォルティッシモで、なるほど彼の歌は大したものだった。誰かの心に勇気を与えるような、そういう輝きの持ち主だ。
 それから彼には、フェルマータと別れた件を伝えた。
 相手家族に対して、巻き込んでしまったのだから当然の沙汰とも言えるだろう。彼からは色々と言われたが、僕は領主として。彼女がトップスタァとして生きる、そういう道を選んだことは変わらない。
 僕はこの道を行くさ。いつか、彼女の光に勝つような輝かしい光を、空に届ける為に。

Lv8キャップ

『今日は良い日でした。フェリ先輩に悩んでいたプレゼントの相談もできたし、宝物(思い出)を大事にしてくれる人でした。今日もご飯が美味しかったです』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008590776642588784/1049349413824376902
 今日はアルコルに用事があって、こちらから声をかけることにした。
 レコーディングピアスに保存されたあいつの思い出が、前にロック鳥に襲われた時に上書きされかかってるのを知ったからな。自分の宝物が自分の断末魔に塗りつぶされるなんて誰だっていやだろう、だからせめて復元できるようにと、僕が前に買っていたレコーディングピアスに複製することにしたんだ。
 その話そのものは彼女も快く頷いてくれた。そうしたら、今度は彼女の方から依頼を持ちかけられることになった。
 内容はユーシズに伝統的に伝わる魔法のアイテム〈七色の花〉、その特別品の作成だ。
 変化色は”今の空の色合い”、特定の色に変わるんじゃなく、刻一刻と変わる空と同じ色に、その時々に変わるそんな七色の花……難しいが、やり遂げて見せよう。彼女の信頼に応える為にも。

Lv9キャップ

『彗星の花』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008589450852450374/1053549804845809705
 アルコルが死んだ。そんな凶報を聞いて慌てて出向していたアルケナス領からラゴニアに飛んで帰ってきたが、誤報だったらしく、彼女は生きていた。とはいえ、魔剣の効果でぎりぎりその運命を回避できただけらしく、一週間以上は指一本動かせないほどの重症で、その姿は痛々しかった。
 さすがに足が無いという冗談を言いだしたときは叱ったが、その姿は彼女が自分の信条を貫いた結果だ。心配こそすれ、頑張った彼女に贈るべきは避難ではなく称賛だと思い褒めれば、彼女は大いに喜んでいた。
 褒めついでに、七色の花の件の進捗も報告した。副産物として作った、オドントブロッサムの花の冠も添えて。
 あまり出来の良い冠ではなかったが、虹の輪の色に固定されたそれに、彼女は満足してくれたようだった。
ちゃんと依頼は仕上げて花を届けてやるから、ちゃんと戦って、生きて帰って来いよ。君は、僕にとっての『特別な存在』のうちの、一人なんだから。

『夜空に願いを』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008589424440909874/1057236713895890976
 アルコルに頼まれていた七色の花。ついに完成した為、納品をすることにした。
 受け渡し場所は鉄腕の掟の酒場の一角。現れたあいつは、松葉杖をついていた。
心配は勿論あったけど、帰ってきたんだから言う事なんてないさ。それより、本題の花の受け渡しを進めることにした。
 まずは単品、一本の方だ。普段は夕焼けのような赤橙色で、魔力を通すと緩やかに青紫へと変化していく。夜のとばりが下りるみたいに……苦戦はしたが、何とかコツは掴んだ。コツさえ掴めば時間をかければ技量の高くない魔法使いにだってマネできるだろう、そういう技術を得られた。
 花束の方も、基礎技術は同じだ。だが、敢えて色味や種類の違う花々を合わせ、均一な色合いとならないように調整してある。魔力を通した時の、色づく早さや色合いもだ。こうすることで、雲や風によって逐一表情を変える夜空のような姿を齎せると思ったからだ。
 結果的に、両方とも、アルコルはひどく気に入ってくれたようで……特に花束の方は、前の食事の時にも見せた、あのどこか儚い表情を見せるくらいだった。
七色の花の発展物の製法を修められた経験は勿論僕には大きいけど、他意無しにして、あいつが本心から喜んでくれたのは分かった。嬉しかったよ。
 けれどその後、あいつがこっそり報酬を水増しして渡そうとしたから、流石にこれには怒った。依頼を受ける時僕がまけると言ったのは固辞した癖に、自分はやるのか? しかもバレたのに誤魔化そうとしたしな。頭に来すぎて逆に感情を失うという貴重な経験をしてしまった。
 だからついつい、ねちっこく理詰めで虐めてしまったよ。あいつが拗ねて脅してくるくらいにはな……まぁ正直途中でちょっと楽しくなってしまったし。アルコルには悪い事をしたと思っている。
 とまれ、その分の余剰金で僕がアルコルに奢る、という形で、二人で食事をする流れになった。
 怪我をしてるからそりゃそうなんだけど、あいつが頼む量が普段より大分少なくて、驚いてしまった。でも、あいつもそんな話題を続けたくはないだろうから、別の話題に変えて誤魔化した。
 僕は、『美味しい』という価値観を、あいつを通して教えてもらった、思い出させてもらった。だから、あいつには出来れば、美味しい料理を沢山食べて、笑っていて欲しいんだ。どんなに辛い事があって、もしあいつが戦うのさえ嫌になってしまっても、食べる事が楽しくて、美味しくて、幸せなんだって事は、忘れないで欲しい。
 僕にとっての幸せはきっと……そうやって、当たり前の幸せに笑える人々の姿を、見守っていられることなんだ。

『似た者同士の約束』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008589653181480990/1058618885022162974
 領主になった後に向けて、七色の花の芸術品としての安定生産をするための試作を空き地でやっていた。
すると、そこへケイが通りがかって、魔導士同士という事もあってちょっとした話し合いをすることになった。
 ちょっとしたアルケナス領の今後の展望を話した後に、ケイが例の件からどうなっているのかある程度聞いてみたが、大分精神は安定した様子だが、スノウとは少しまだしこりが残っているようだったな。
僕の推測では、スノウが怒っているのはもうケイのやらかしそのものというよりは、親しい仲ながらケイの側がずっと負い目を彼女へ感じ続けている事へのものだと思うのだが……まぁ、そのあたりは二人で話し合って気づいていってほしい。青春だな。
 それから、ケイは『あの時』の選択について、僕ならどうするか、と聞いてきたので、『僕ならば持ちうるすべてを利用して目的を達成する』と、答えておいた。
その在り方を彼は『強い』と評したが、僕からすれば良いことばかりでは勿論ない。周りにそれを咎め、心配するような親しい友がいないからこその決断でもあったわけで、二人も家族同然の友がいる彼には、あまり歩んでほしくはない道のりだ。
 僕と彼は似ているが、歩んできた道も、これから歩む道も決定的に違う。しかしそれでも、お互いに助け合うことはできるだろう……そうケイは言って、僕に力を貸してくれると言ってくれた。
 彼の今抱えている大事が済んだのなら、僕とともに戦う『仲間』として、助け合っていく。そんな約束とともに。

Lv10キャップ

『十年後の僕と君へ』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008590776642588784/1063022069836685323
 今日はアルコルと中堅冒険者たちの引率をやった。ジョーランド氏からのたっての頼みで、まぁ依頼というよりはボランティアに近い。
 まだまだ危なっかしさの抜けない後輩たちの面倒を見終わると、自然と話題は竜災を乗り越えた先の未来の話に至っていた。
せっかくだから食事も一緒に、と、鉄腕の掟へ移動していつものように卓を囲み、二人でお互いの展望を語り合った。
 彼女は春先に進展を決め、僕は夏の終わりには正式にアルケナス領の領主となる。
どんな道を選んでもいいように、と、アルケナス領の通行手形を彼女へ発行することにしたが、割安価格の代わりに割引分の料理をこちらで提供するという約束となった。僕としても悪い条件じゃない。
 とはいえ、うちの領地の痩せっぷりだと、地元の特産品でもてなすのには10年はかかる。10年後には生きてるかわからない、と、アルコルが言うから、僕は、つい『10年後のいつか、君と卓を囲んで食事を出来たら嬉しい』と、無理強いをするような言い方をしてしまった。彼女の生き方に沿う願いではないのにな。
 アルコルはそんな僕の懇願を快く受け入れ、10年後また会いに来る、と言ってくれた。
 だったら、僕がやるべき事は一つだ。彼女が10年後も生きて、僕とテーブルを囲んで、美味しい食事に舌鼓を打てるように。
僕の持てる全てを用いて、アルケナス領から、世界を豊かにしてみせる。

Lv11キャップ

『誕生日。だから、未来は眩しい』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008589424440909874/1066284200942108692
 2月20日。この日が誕生日であると、僕はすっかり忘れていたわけだが。そこへ突然の誕生日プレゼントをくれたのが、ほかならぬフェルマータだった。
 まず元カノからって段階で既にん?とはなったし、プレゼントの入ってる小箱を見ても大分アレだったんだが、まぁ気にしないふりをして開いた。中身はラル=ヴェイネのマナリングでした。でしたじゃないよ。まぁある意味死ぬほどフェルマータらしい。
 ともあれ、意図を理解し、有り難く受け取り使わせてもらう事にした。付けたのは左手の親指さ。
 贈り物と共に、彼女の一演目と、重い問いかけもまた向けられた。だが、僕とて地上から星へ手を伸ばすと決めた身だ。
 今更星の輝きに焦れ、燃え堕ちるなどしない。天まで届く摩天楼を、そしてその頂点より星と変わらぬ輝きを。そうしたときはじめて僕の手は、君という星へ届くのだから。
 ……ただ、まぁ。その後、お礼という形で、一日だけ彼女に『付き合う』事にした。
 今、このラゴニアに僕らが揃っている、この短い時間の一時だけは……ちょっとだけなら、時間制限付きで『恋人同士』を、またやったっていいじゃないか。

エピローグ

『女王と領主の密会、或いは先輩と後輩の歓談』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008590776642588784/1075589759583404054
 ラゴニアでの日々が過ぎ去り、僕はアルケナス領主となった。
その最初の『大仕事』に選んだ事を進める為、ルーリィ王女に会いに、僕はラゴニアへと戻ってきていた。
密会……というほどでもないが、公の場では進め辛い話なのは事実だ。ヴィカル王国の直営宝石店の出店を祝うという名目で、僕はルーリィ王女……いや、敢えて『先輩』と評そうかな。先輩と、秘密の会談に及んだわけだ。
 歓談は実に穏やかで、つつがなく進んではいた、が……途中でしびれを切らした僕のファミリアのフロックが騒ぐもんだから、空気は台無しになってしまった。全く、風情というものを知らないなあいつは。
 それでまぁ、結局単刀直入に切り出さざるを得なくなったわけだ。ヴィカル王家との、『婚姻』の話を。
 僕の家系は数少ない大破局後も純血を保つ血統であり、力はない代わりにヴィカル王家にはユーシズへの影響力獲得のための足掛かりの場を提供できる。一方ヴィカル王家の血筋をアルケナス家に招けるメリットは、もはや言わずもがな。
そこで、僕の……あー、お嫁さん、をだ。紹介してもらおうという事だ。
 僕はアルケナス領の為にすべてを捧げると決めた身だ、今更結婚相手がどうという感傷はない。だが、相手の子は違う。ルーリィ先輩ならば、その辺りを安心して任せられる……そういう意図もあっての頼みだった。
 驚くほどにあっさりと、ルーリィ先輩は僕の頼みを快諾してくれた……もし僕が領地を継ぐという決意を固めていなければ、自分が僕を王家に招きたかった……と言った事には、驚いたけど。そんなに高く買われていた……いや、僕の事を好いていてくれたのかな。
 僕たちは、それぞれに多くの人々の命を預かる身だ。だから、個人的な感情で好き勝手することはできない。
 だから……このラゴニアに滞在している、残り数日だけは。先輩をエスコートさせてもらう事にした。先輩に認められるような、立派な後輩として。

『Al S.ada_k』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008590829830557757/1076444769200386088
 領主になるために、ラゴニアを発つまでの最期の夜。
 僕は、アルコルと別れの挨拶をすることにした。アルコルもまた、そのつもりみたいだった。
時間はあいつの指定だったけど。別れの夜だっていうのに、僕らは互いに自然体と言った感じで。
いつも通りにじゃれ合った。誕生日プレゼントともいえないような選別を渡して。空を見て。話をして。
アイツの馬鹿な挑発に乗って、とんでもない魔剣のプレゼントを受け取って。戦士の真似事をやったら軽くあしらわれたりして。
ああ、楽しい夜だった。確かに、君が見えていたよ。アルコル。だから、これからもずっと。君へと僕は、目を凝らすんだ。

『Q.そこに愛はあるんか? A.ありまァす!』https://discordapp.com/channels/1008584249428955219/1008590829830557757/1076507261855334491
 さて……僕のアルケナス領主としての初の大仕事にして、一世一代の大勝負。
 政略結婚のためのお見合いの、その日がやってきた。
僕は当然に申し込んだ側の礼儀として、お見合い相手であるメアリー・アルフィー嬢のホームグラウンドたる港町へ向かったわけだが……後から考えれば、嫁入りするのはメアリーの方なんだから、むしろこっちへ招くべきだったよな。
まぁ、そんな些細なアレは捨て置いて。
 港町に降りたところで、この日の為に卸した服があんまりにも窮屈だったものだから、落ち着かないでいたら……何故か馬車と一緒に迎えに来ていたメアリーに、ばっちり見られてしまっていた。もう初手から大失敗だ。
そこで僕はそういうアドバイスを利かせる気の回し方も見せられなかった相談相手のファルマーを恨んだわけだが、メアリーの使用人にその窮地をフォローして頂いてしまった。なんとも情けない話だ。
 とまれ、そんなこんなで完全に場の主導権をメアリーに持っていかれてしまったわけだが。
 緊迫する空気の中、僕が状況を変える為、メアリーへ用意してあったベルフラワー製の〈七色の花〉が、その心を解きほぐしてくれたようだった。ろくに役にたたなかったファルマーは後でライトニング・バインドの刑に処すとして、誠心誠意込めたプレゼントが、ちゃんと彼女の心に届いたのは嬉しかったよ。
 それで、昔の傷を……フェルマータと別れたことに触れられて、つい。気づいたら本心を語ってしまっていた。
 目指すべき星のフェルマータには当然語れなくて。見つめ続けるべきアルコルには、少しだけ零せても届くべきものじゃなくて。
ずっと誰かに、うち開けたいと思っていた事だったんだと、思う。それを、何故か、初対面のメアリーに、全て話してしまっていたんだ。
 それで……そのままの勢いで、ついプロポーズまで言ってしまった。いや、今思えば、何ら恥じることはないんだろうけど。
とにかく、当時は恥ずかしかった。だって道行くみんなから見られてたからさ……それに気づかないくらい舞い上がっていた僕が悪いと言えば、それまでなんだけど。 
 ともあれ……結局それから、僕はずっと、メアリーの尻に敷かれたままだ。それが案外、悪くない、なんて。思えてしまってるんだから……重症なんだろうなぁ。
 どれだけ星に惹かれても。僕を支えてくれるのは同じ人だけだ。だからどうか……ずっと、僕を支えるただ一人の女性(ヒト)であってくれ、メアリー。愛してるよ。

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 ガメル 名誉点 成長 GM 参加者
キャラクター作成 3,000 1,200 0
1 9/3 【Daily Worker】 750 10 知力
ひる ヒメトリアアルルペルルへカテリーナ
2 9/4 【ぜんしん!よんほんあし?】 750 11 生命
煙草の吸い殻 レイジコハク有栖トリア
3 9/6 【トラブル】 750 6 筋力
ここかな イルモへカテリーナククルサム
4 9/8 【野球チームのメンバー集め】 750 15 筋力
チュパカブラ ヘルミナリリデラニージョナントカ
5 9/11 【ヘンリー・ジョーンズの冒険#01-鉄腕王の迷宮- 夜再演】 750 7 緋愁誠 アシュリー
6 9/12 【雑誌作成のお手伝い】 50 750 6 遠雷 フォルテストラオウルライヴァコハクライン
ピンゾロ1回
9/16 Lv3キャップ 3,000 3,300 95
7 9/17 【暗夜行路】 50 1,650 17 器用
いつぎ ククルスノウアルコル
ピンゾロ1回
8 9/19 【商人団の護衛】 1,500 9 筋力
サトウイツキ ジョナントカドラセナ
公式卓
9 9/20 【野球場を作るから手伝って!】 1,500 10 精神
チュパカブラ ジョナントカ
10 9/21 【救命草と魔香草を納品してくれ】 100 1,800 20 生命
瓶底眼鏡 へカテリーナフェルマータエクエスヴァネッサノーラ
自卓 ピンゾロ2回
11 9/27 【ヒトの証明】 1,500 15 遠雷 アカツキコハクオウルシオリライヴァ
成長ダイス:筋力
10/1 Lv4キャップ 4,500 7,050 79
12 10/3 【仮想演習:ライジング】 2,250 15 筋力
月珖 へカテリーナノエルヴェル
買取:魔晶石10点(1000G)
13 10/6 【人型重機レッドフレーム】 2,450 22 筋力
月珖 へカテリーナレインアルコルフェルマータ
14 10/7 【『Turn around. Look at what you see』第一話『予感』】 2,250 22 知力
Mystic へカテリーナヴァネッサちかアシュリーアジェニア
15 10/10 【カチの証明】 2,250 25 知力
遠雷 シャレアヴァネッサスノウアルコル
買取:叡智の腕輪(500G)
16 10/15 【森の調査】 100 2,700 30 瓶底眼鏡 フェルマータレインククルラインフィル
自卓 ピンゾロ2回
10/16 Lv5キャップ 6,000 10,600 186
17 10/17 【とある薬草の採取依頼】 3,250 32 精神
ぷーどる カナタフォルテストラレインぴにゃ
18 10/18 【『The Bastard Sword』再演】 3,000 13 精神
Mystic セキウエルシャアジェニア
買取:熱狂の酒
19 10/20 【草原の試練 丘の上の大岩】 3,250 22 精神
ごんたま フェルマータフェリオデウスアトリッサラインティオルリア
買取:魔晶石15点
20 10/21 【ムシュフシュ遺跡北部山岳地帯の調査依頼】 3,750 31 生命
サトウ アルコルフィリアノールヘルミナフィリップ
叡智の腕輪(買取) 消費
21 10/23 【アイの証明】 50 3,500 28 遠雷 アルコルアシュリーシャレアグレイゲルルリア
ピンゾロ1回
11/1 Lv6キャップ 7,000 13,250 274
22 11/2 【薬草採取】 4,950 34 生命
知力
ノア エクエスアルルペルルシモンフィリップルリア
23 11/3 【とある幼竜の腹痛騒動】 4,050 53 筋力
知力
ぷーどる ヴェルセキウエクエスグレイゲルムース
買取:支配の杖(14840G)
24 11/4 【森林の村 暴れる幼竜を追って】 4,050 25 精神
知力
ごんたま ティオカタニィラインサフィレイン
25 11/6 【とある蛮族の侵攻事件】 4,050 32 知力×2
ぷーどる ヴェルカナタアトリッサアルルペルル
26 11/10 【幼年期の終わり 渦中】 100 4,500 50 瓶底眼鏡 ルリアアルカククルフェルマータへカテリーナレイン
自卓
27 11/11 【キズナの証明】 4,050 32 遠雷 ルリアククルグレイゲルミスミ
28 11/12 【ソフィとノーラ、二人のあるべき形。《後編》】 4,050 43 ササラ エクエスラインサフィノエル
29 11/13 【とある蛮族の石化事件part2】 4,050 ぷーどる エクエスエクスフィルステラータアルカ
30 11/13 【落つる幻日】 50 4,050 30 知力
レイン ノーラフィリアノール
ピンゾロ1回 魔晶石15点消費 上限超過分600G、半減300G受領
11/16 Lv7キャップ 8,000 201
31 11/16 【その奏で絶えることなく】 50 4,500 41 精神
敏捷
Mystic ティオフェルマータヒメノエル
ピンゾロ1回
32 11/17 【極星訪れ煌星が昇る】 50 4,850 46 筋力
敏捷
ノア アルルペルルオウルケイミツハヘルミナ
ピンゾロ1回
33 11/23 【とある幻影の迷宮探索】 5,200 40 筋力
知力
ぷーどる カナタヴィルセキウアルコルククル
買取:レコーディングピアス(800G)
34 11/28 【過去よりの妄執】 100 5,400 60 精神
自卓 サフィフェルマータルリアアルコルレイン
ピンゾロ2回
11/30 Lv8キャップ 10,000 24,750 413
35 12/1 【奪われた煌星】 6,050 49 精神
筋力
ノア シモンルリアステラータアルルペルル
称号:暴風を従える者(0)
36 12/10 【イノチの証明】 100 6,050 63 精神
知力
遠雷 ククルシャレアシオリミスミ
ピンゾロ2回
37 12/10 【引越しの手伝い】 50 5,250 63 知力
生命
サトウイツキ グラディウスティオフィルアシュリーサフィ
ピンゾロ1回
38 12/11 【とある円卓の理想と聖盾】 50 6,050 48 知力
知力
ぷーどる アルコルエクエスへカテリーナステラータククル
ピンゾロ1回
39 12/11 【リアルタイムダンジョン第3層 part3】】 150 6,450 39 定番 ちかシモンミヅキフィリップ
ピンゾロ3回 買取:ブラックロッド(売却価格/11250G)、甘え鳴きのチョーカー(売却価格/750G)
40 12/13 【陰謀の影】 6,050 58 月珖 ティオアルコルサフィ
12/16 Lv9キャップ 11,000 16,600 380
41 12/18 【リアルタイムダンジョン第3層 part4】 50 6,900 35 知力
精神
定番 ラインエクエスエクスシモンモフー
ピンゾロ1回
42 12/18 【キズの証明】 50 6,450 59 知力
知力
遠雷、SGMあやうさぎ ヴァネッサ
ピンゾロ1回
43 12/21 【人魔の境界・最終演/深夜の部】 6,450 73 知力
精神
ノア シオリオウルコハクライヴァケイ
44 12/23 【螺旋忍法帖_第8話】 50 8,250 69 器用
精神
キャロット ぴにゃフィリップフィルレイン
ピンゾロ1回 購入:マナスタッフ
45 12/24 【『Turn around. Look at what you see』第四話『Fighter's Honor』】 150 6,000 70 Mystic フェルマータフィルノエルククル
ピンゾロ3回 買取:妖精のランタン 称号:白鳥の騎士団(0)
46 12/26 【夜明け前が一番暗い -The darkest hour is just before the dawn-】 50 6,900 62 あさひな アシュリーククルレヴィトラモフー
ピンゾロ1回
1/1 Lv10キャップ 13,000 19,050 432
47 1/4 【呪いは煙に溶けて】 8,250 80 器用
知力
らゆも シオリククルフィリアノール
48 1/5 【騒めく森林】 50 9,250 90 敏捷
精神
ノア レヴィトラククルモフーフィリップ
ピンゾロ1回 ラル=ヴェイネの金鎖7500/2G、ペンギンマント6000/2G、獣除けの蝋燭2130/2G
49 1/6 【異世界迷宮(外編) 死を超越せし竜】 100 8,250 87 知力
知力
月極 ライヴァアルコルスノウコハクシオリ
ピンゾロ2回 称号:死龍を滅する者(0)
50 1/8 【其は掲げられし荊棘の燈 -eine brennende Blume blüht-】 250 8,250 109 敏捷
精神
レイン アルコルスノウフィリアノールククル
ピンゾロ5回 買取:スマルティエの銀鈴(7500/2G) 称号:未来(あす)へと羽撃く翼 名もなき幻日の英雄(1000点)※死後獲得
51 1/9 【カゾクの証明】 50 7,310 90 遠雷 マロンアカツキオウルコハク
ピンゾロ1回 買取:レインボーリング(5000/2G) 称号:絶望を打ち砕きし者(Destroy Despair)、前へと進む者(Fiat lux)
52 1/10 【仮想演習:レッドドラゴン】 8,250 100 月珖 アルコルティオレインククル
53 1/11 【今日は、単なる明日の昨日ではない -Today is not just tomorrow's yesterday-】 8,250 85 あさひな スノウフェルマータアルコル
54 1/15 【凍てついた瞳が映すモノ 前編 ー再演ー】 6,750 50 定番 ククルアルカミヅキサフィ
1/16 Lv12キャップ前半 14,000 2,940 109
55 1/22 【凍てついた瞳が映すモノ 後編 ー再演ー】 50 8,500 50 知力
精神
定番 エクエスエクスシモンルリアヴェル
ピンゾロ1回
56 1/25 【ヤクソクの証明】平日夜再演 50 8,500 118 器用
筋力
遠雷 ルリアカナタシモンアカツキマロン
ピンゾロ1回 『花を届けし者(I wish):0点』『約束の先へ(Dealer in hope):0点』
2/1 Lv12キャップ後半 51,000 632 知力
知力
精神
器用
57 2/4 【子午線の祀り】 10,150 135 生命
筋力
Mystic フェルマータフィルノーラメェルゥ
白鳥の騎士団(0)、うたわれるもの(0)
58 2/7 【"ヒト"の証明】平日夜再演 100 精神
敏捷
遠雷 ルリアシモンカナタ
ピンゾロ2回 『幸せの運び人(Laugh maker):0点』『"ヒト"の証明を見届けた者(Flower wall):0点』
取得総計 81,550 417,150 5,335 68

収支履歴

雑貨・食料類

保存食一週間分::-50*3
保存食一週間分(新鮮組)::-50
冒険者セット::-100
食器セット::-12
着替えセット::-10
迅速の火縄壺::-100
よく切れるナイフ::-20
まっ平らの手鏡::-50
手鏡::-50
礼服、制服::-100*2
ふかふかの防寒着::-80
羽根ペン::-2
軽い羽根ペン::-50
インク::-3
白紙の本::-30*2
ぬいぐるみ::-30*10

武器、防具

イフリートの髭::-500
支配の杖::-14840/2
マナスタッフ::-6800/2
代弁するソーサラースタッフ::-22500-8000
クロースアーマー::-15
コンバットバトラースーツ::-24000-2000-2000
ブラックロッド::-22500/2

装飾品

深々とした叡智のとんがり帽子::-13000
深々としたスカベンジャーの帽子::-18000-1000
相互フォローの耳飾り::-12000
レコーディングピアス::-1600/2
通辞の耳飾り(魔法文明語、エルフ語、汎用蛮族語、魔動機文明語、妖精語)::-5000
蝙蝠の耳飾り::-3500/2
ラル=ヴェイネの金鎖::-7500/2
スマルティエの銀鈴::-7500/2
ラル=ヴェイネの髪飾り、肩当て、靴留め、ベルト::-250*4
水晶の首飾り::-3000
ロッセリーニの調声器::-1000
甘え鳴きのチョーカー::-1500/2
ウェポンホルダー改::-5000
ペンギンマント::-6000/2*0
レインボーリング::-5000/2*0
ラル=ヴェイネのマナリング::-40000
叡智の指輪::-500*2
叡智の腕輪::-1000
正しき信念の腕輪::-30000
魔法の発動体::-100
勇者の証(心)::-10000
逃さずの眼鏡::-7200
ラル=ヴェイネの観察鏡::-20000
ミサイルトラッパー::-1660
軽業のブーツ::-11600
ラル=ヴェイネのダウンルッカ::-28000
ディスプレイサー・ガジェット::-5000

冒険道具類

測量のワンド::-4200
ロッセリーニの魔導筆::-2000
魔香のパイプ::-1360
妖精のランタン::-5000
獣除けの蝋燭::-2130/2*0

マナチャージクリスタル(5点)::-2500

冒険道具類(消耗品)

熱狂の酒::-980
魔晶石5点*5::-500*5
魔晶石10点(買取)::-1000
魔晶石10点::-2000*4
魔晶石15点::-4500*3
魔晶石20点::-8000*2

魔香草*20::-100*20
魔香水*3::-600*3

スパークリングサラダ::-10
マナクイックチャージゼリー::-10
アウェイクポーション::-100

月光の魔符Ⅰ*1::-500
月光の魔符Ⅱ*1::-1500
月光の魔符Ⅲ*1::-5000
日光の魔符Ⅰ*1::-500
日光の魔符Ⅱ*1::-1500
日光の魔符Ⅲ*1::-5000

消魔の守護石::-100*5-400*4-900*3-1600*2-2500*1

ゴーレム用アイテム

魔化された樫の枝::-50
魔化された粘土::-300
魔化された肉::-500
魔化された石::-1000
魔化された岩::-2000*2
黒曜石の盾(小)::-150/2
鋼玉の守護(小)::-100/2
琥珀の目(小)::-500/2
珊瑚の枝(小)::-100/2
柘榴石の活力(小)::-200/2
黒曜石の盾(中)::-600*2
鋼玉の守護(中)::-400*2
太陽石の輝き(中)::-1200*2
珊瑚の枝(中)::-400
柘榴石の活力(中)::-800*2
柘榴石の生命力(中)::-1200*2

チャットパレット

使用ダイスbot: ゆとチャadv. BCDice